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怪盗な季節☆   作者: 大野田レルバル
終堕な季節☆☆
197/210

Start the endworld.

夜ご飯はアリルの家でごちそうになった。

マダムもアリル父もまるで俺の本当の親のように思える。


「波音ちゃん、遠慮しないでたべなさいねぇ~」


そう言いながらたくさんの白ごはんを俺の茶碗に盛ってくる。

食べれる気がしない。

食べるけど。


「はっはっは、我が息子よ!

 もっとたくさん食べるといいぞ!」


白身にたくさんのマヨネーズをかけてアリル父は俺のさらに五個ぐらい置いて行く。

飲み物はプロテイン。

死ぬ。

あとは鶏肉とか色々。

全てがおいしそうで、というか実際おいしい。

何かが俺の中で吹っ切れたようだった。

食べても食べてもお腹が全然いっぱいにならない。

それでいてプロテインもたくさん飲む。


「あら、今日はたくさん食べるのねぇ。

 おばさんうれしいわぁ~っ」


マダムがにこにこしながらささみのお変わりを持ってくる。

たまに思うんだけど、アリルもこの食生活の中にいたんだろうか。

飲み物はプロテインとか、やられたのかな、


「いやーほんと。

 息子が出来てうれしいぞ俺は!」


「まーた言ってる。

 仕方ないじゃない~も~」


「うむ。

 今は幸せだからな。

 それでいい」


何かイケメンですね。

そしてこの二人はあいからわず仲がいいんですね。

うらやましいというかなんというか。

いいことだなぁって思う。

夫婦仲がいいのは子供にもいいらしいし。

アリルはこの過程でのんびりと育ったんだからな。

だからあんなにマイペースになってしまって。

草木見てたりとかなんかよく分からんようになってしまって。

会話が弾み、中々腹いっぱいにならないおなかも膨れてきた。

食後の蒼のゆっくりしたティータイムを楽しませてもらいアリル父との腕相撲をする。

ちなみに俺が勝った。

人間には負けんよへっへっへ、といったところか。


「ぐぉおおおお!!

 くっ、息子に負けるとは。

 おぶった子におぶられるとはこのことか」


「違うわよ~」


「くそー!」


それから五回ぐらい挑まれたけど全部勝った。

本気出した。

お風呂を入って行け、と進める夫婦に丁寧に断りを入れ俺は玄関まで行くと靴を履いた。


「そうか……。

 帰ってしまうのか。

 あまり、もてなすことが出来なくてすまんな」


アリル父の言葉に「そんなことはない」を五倍ぐらいに美化した言葉で返す。

実際そんなことはなかった。

卵の白身三十個ぐらい食ったしささみもめっちゃ食べた。

数数えるの途中から諦めるぐらい食べた。

それにお茶ももらったし。

満足、満足である。

不満なんてどこにもない。


「では、今日はこの辺で……」


「また来い。

 次はアリル付きでな?」


「そうよ~? 

 もう夫ったら波音ちゃんのこと気に入って気に入って仕方ないんだから~」


「まったくだ。

 さー我が息子よ。

 いってらっしゃいだ」


「……行ってきます!」


そう返事を返すと俺は背中から翼を生やす。

四枚の金属質な翼に二人は驚いた顔をしていたが「そりゃそうか」とすぐに納得してくれた笑顔になってくれた。

俺はもう一度二人に手を振るときちんと振り返してくれたのを確認して空へと飛んだ。

冷たい夜風は、ひんやりと全身を包んでくれる。

基地に帰り、自室に帰ってきたところで俺はソファーに深く腰掛けた。

テレビをつけると、のんびりしたバラエティーと映画が放送されている。

二チャンネルしかないのが少し物寂しいが今の帝国郡の状況なら仕方ないだろう。

映画のチャンネルのままにして服を脱いで風呂場に直行する。

別に汗をかいていたわけではないが風呂は好きだ。

ゆるされるなら毎日入っていたい。

お湯をためるのは少し値が張るために、シャワーで済ましている。

ヴォルニーエルの大浴槽も解放すればいいのに。

シャワーの栓を捻り、いきなりお湯が出てくる優秀さに満足しながら体をお湯の滝へと浸した。

お風呂から上がると冷たいアイスクリームを食べながらテレビを眺める。

映画は既に終盤のようで、金髪の女性が大きな口を開いて悲鳴を絞り出していた。

ホラーものなのかどうか知らないがその女性の後ろからチビハゲデブ三拍子そろった男が襲いかかろうとしている。

その男に向かって女は銃をぶっ放していた。

よく分からんがなんかあれだな。

スタイリッシュな映画なんだなって思った。

テレビを消して、ベットへともぐりこむ。

長い間、開きもしなかった携帯をちらっと見ると、新着メールが二通来ていた。

一通は、勧誘?出会い系みたいなやつ。

もう一通はアリルだった。


『今からのデートが楽しみです!』


とだけ、書いてある。

日付は攫われたあの日。

俺はそっと保存ボタンを押して、携帯を閉じた。

必ず盗んでくる。

報酬はアリル。

なんか人身売買みたいになってる気がするがまぁいいだろう。

それだけの期待を込められたんだから。

やるしかない。

俺は目を閉じそっと息を吐いた。

色々と考えたのと、緊張とで疲れていた。






それから二週間。

ちゃくちゃくと準備が進められていた帝国群は戦力を増強し、最後の戦いの準備も終わり、ついに明日出撃し、総攻撃の時を迎えようとしていた。

その時だった。

帝国群のレーダーが多数の機影をとらえた。

すぐに警報が出され、迎撃に移る帝国群の戦闘機。

その貴重な戦力を削がせるわけにはいかない、という理由で俺とセズク、仁、シエラ、メイナが駆り出された。

俺達は分散して、それぞれ東西南北で防衛を担当する。

帝国群の真上に一人、それから四方向に一人ずつ。

真ん中には実戦経験の豊富なシエラが選ばれ俺は北を任された。


『少佐、見えるか。

 距離はあと四十だ』


管制室から聞こえてくる声を頼りに目的の方向へと向かう。

今日の管制室のおじさんはなかなかいけてるボイスだ。

カラオケとかしたらひゅーひゅー言われるタイプだと思う。

うらやましい限りである。


「了解」


目を細くして凝らしてようやく見えるレベルだ。

戦闘機……というよりかは。


「ミサイルだよなあれ」


それも大きなミサイル。

一つの大きさが戦闘機ほどの大きさがあり、その弾頭には何が詰まっているのかはまだ分からない。

とりあえずこっちを狙っているのは確か。

ここで食い止めるしか他ない。

ミサイルの真上まで飛び、急降下する。

急降下した後、一気にミサイルに捕まると中の配線をぐちゃぐちゃに引きちぎるために金属の装甲を貫いて右腕を突っ込んだ。

ミサイルにまたがったまま左腕をレーザーに変え、左を飛んでいるミサイルを狙い撃つ。

俺の光が、ミサイルの弾頭を吹き飛ばすと急激に光が生じた。


「なん――!?」


慌ててミサイルから離れ距離を取る。

次の瞬間、何もかもが破裂したような無音と、太陽がそのまま目の前に落ちてきたような大きな光。

本能的な恐怖を感じて俺は本気で逃げた。


『少佐! 

 核だ!

 それ全て核ミサイルだ!』


「もう見りゃわかるよ!!」


となると残り二十ほどの北からくるミサイルは爆発させないようにしなければならない。

背後で立ち昇るきのこ雲を見ないようにして一番近くのミサイルに掴みかかった。

姿勢を制御する翼をもぎ取り海へと突き落とす。

これなら爆発はしないだろう。

そのままの勢いですべてのミサイルを叩き落とす。


『レーダーから全ての機影が排除されたのを確認。

 ご苦労様全員基地に……っ?

 なんだ……おい。

 元帥?

 元帥!

 すいません少しこれを見てください!

 少佐班はすぐに帰還を!』


なんだ……。

何があったんだ。

今回全く出番がなかったためかふてくされているシエラの元へ行ってみたが全く分からないと首を傾げられた。

そりゃそうか。

とにかく、急いで帰還し、話を聞くしかないようだ。

俺達五人はそろって降りると司令室へと急いだ。






               This story continues.


ありがとうございました。

タイトルは適当です。


でも一応思いは込めてました。

はい。

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