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怪盗な季節☆   作者: 大野田レルバル
ラトランな季節☆
124/210

帝国郡の一日。

脅して女兵士をかわし、自室にたどり着いた。

木製の扉を開き仁の隣を通り過ぎた。

俺の机の前に立つと裾から電磁ぺったん機を取り出して机の上に放り投げる。


「おー、どこ行ってたんだ?」


仁がPCをいじりつつ俺に尋ねてきた。

ほんと、PCが好きな男だなぁ。

仁と俺は二人で同じ部屋を割り当てられた。

いわゆるルームシェアとかいうやつだ。


「ん?

 ちょっとそこまでな。

 あ、あとさ」


俺は軍服を脱いで、シャツ一枚でソファーに腰掛けた。

もふっとお尻にフィットする。

温かくて幸せである。


「ん?」


「仁はさ。

 『伝説』についてどう思う?」


唐突にだがたずねてみた。

伝説うんぬんの話をシンファクシたちがしていた。

なら仁の意見も聞いてみたい。


「はぁ?」


「いや、いいからさ。

 どう思う?」


仁は俺のマシンガン疑問に少し眉をひそめた。

少しPCのキーボードをなぞっていたが


「いや……分からん」


とだけ言ってまた画面に向き直った。

だよなぁ……。

唐突に言われたところで分かる話題じゃないよなぁ。


「あ、波音、あのさ」


「ん?」


ジュースを冷蔵庫から引っ張り出してキャップを緩める。

きんきんに冷えたペットボトルの中身を口の中に流し込んだ。

ん、うまい。

やはり飲み物はこれに限る。


「――いや、いい。

 なんでもない」


なんだよ。

仁はまたPCに向き直った。

画面の光が、仁のメガネを白く染めている。

俺は仁のそばまで歩いて机に座った。


「なんだよ、気になるだろ」


一体どうしたんだか。

こいつがこんな風に言うときは大体悩んでいるのだ。

聞いてやりたいが……。

言わないなら言わないで構わない。

そのうち言ってくれるだろ。

深くは関らないようにする。


「なんでもないって。

 ちょっと散歩してくる。

 おやすみ」


開いていたPCの電源を落とし、椅子から立ち上がる。

ハンカチが一枚、机から落ちた。

それを拾いつつ俺の飲みかけのジュースを一口飲むと


「夜風が気持ちよさそうだしな」


そういって仁は部屋から出て行った。


「お、おう。

 おやすみ」


仁がいなくなって部屋が急に広く感じた。


「はぁ……」


飲みかけのジュースを手に取り、ラベルをはがす。

プラスチックいれの中にラベルを突っ込み、ジュースは腹の中に収納した。

風呂……入らなきゃな。

そう思いつつも俺はベットに飛び込むと天井を見上げる。

蛍光灯に一匹の虫が飛び回っている。

俺は目を片方閉じて明日することを考えた。

早く起きてちょい楽しい事をしよう。

バスケとか……な。

訓練が終わったあとは大体休みらしいし……。





って言っておきたのが朝十一時。

どういうことなんですかね。

目覚ましが裏切ったわけだ。

おかしい、おかしいぞ。

俺は七時にセットしたわけだが。


「くそー!」


起こしてくださいよ、誰か。

涙目になりつつ軍服を着る。

日差しがたっぷり当たっていた性で汗をたっぷりかいてしまった。

昨日は風呂も入らずに寝てしまったよ。

汚い、今から入ろう。

思いついたらすぐ行動。

ということで、十五分かけてさっぱりした。

ほかほかの体を軍服に包む。

ベルトをしっかり締めて、勲章を胸につける。

今日もいい軍人さんである。

おかしな話だ。

つい最近までは高校生をしていたというのにな。

風呂のついでに体重計に乗ってみた。


「げ……」


六十キロ……。

身長一七二センチで五六キロ……。

ん、普通か。

いや、太りすぎた。

正直、ミスった。


「波音ー。

 飯食わない?」


おう、仁。

いたのか。

風呂出てくるまで気がつかなかったぜ。


「何がある?」


おなかをつまんでぷにぷにしてみる。

うう、だめだ、これ……。

少しダイエットするかぁ……。


「サンドイッチ」


そういって仁が取り出したのはサンドイッチ。


「またかよ」


口を尖らせた。


「文句言うなよ。

 野菜とお肉をバランスよく取れる健康食品だぞ?」


炭水化物もあるしな。

中身によって栄養は色々変わる。

ちなみに俺はハムとレタスのコンビが大好きだ。

いくつでも食べれる。

でも


「流石にお主。

 飽きるぞ、おいら」


ずっとサンドイッチばっかり食ってる気がするんだ、マックス。


「一人称変わってんぞ。

 そういわずに。

 これしかないんだ、ないなら無しだ」


「ちぇー……。 

 分かったよう」


約十分かけてもしもし食った。

案外ぱさついていてあうう……ってなりました。

冷凍庫に保存していたのをほいって、出された感じです。

ふむ……。

冷蔵庫から新しいジュースを引っ張り出してキャップをあけた。

昨日、空になったペットボトルはゴミ箱にぶち込む。

簡単な飯を終わらせた俺は朝日の元、さんさんと外に繰り出した。


「あ、レルバル少佐。 

 バスケのカウントしてくれませんか?」


どこへ行こうか迷う間も無く部屋から出てすぐに声をかけられた。

俺と同い年ぐらいの若い子がバスケットボール片手に俺に微笑みかけている。

水着一枚で。

状況を理解するまでもなく


「ん? 

 あー、いいですよ?」


返事を返してしまった。

俺はコートの中央に立ち、点数をカウントする作業に入る。

ぱらぱらと紙をめくるだけ。

簡単なお仕事である。

屈強な男達が砂浜でバスケをするのを眺めるのは結構楽しいものだ。

白い砂が宙に舞い、青空と対照的に綺麗である。

そこ普通バレーじゃないか、と思ったあなた。

むさくるしいムキムキの男のビーチバレーを見て何が楽しいですか。

それはボインなおねーさまがやっているのを見るのが楽しいのであって。

こんな屈強な……。

うん。


「あははー」


屈強な……。


「はのん~♪」


く、屈強な……。

――なんでセズクがいるの。


「うふふー」


うっせ。

うふふしてんな。

いらっとしたからセズクのチームをゼロにして相手チームの点数ばっかり上げてみる。


「あれ、レルバル少佐。

 点数おかしいですよ?」


若い子が指摘してくれたが知らん顔。

おいらは知りません。

関与していません。


「え?

 セズクチームがゼロだろ?

 で、マイケルチームが千二百だろ?」


いたって普通のはずです。

おいらは嘘つきません。


「いや、おかしいですよ」


何だよ。

小さくもめてそれから二時間。

試合をぼけっと見続けていた。

途中マックスがやって来て興奮した。


「それー行くぞーあはははっ」


あのお方結構すごいよ。

筋肉。


「うわーっ何をするんだよーっ。

 うふふふふーっ」


思わず触りそうになったもの。

おなかぷにぷにかと思ったらムキムキでしたね。

どんだけ筋トレしたらそうなるのって思いました。

だって九つに割れてるんだぜ。

奇数なんだぜ。

どういうことなんだぜ。

奇数って何だ、どういうことだ。

あははうふふのビーチバスケ。

男まみれのむさいバスケ……。

どこかにきょぬーのおねーさまのバレーはないのか……。






そんなわけでのんびり時間を潰して夜となった。

昨日言ってくれなかったシンファクシにお話を聞きに行こうと思う。


「ちわー」


こんな軽い挨拶で言ってみようか。


「ちょりっす」


ふむ、これいいなぁ。


「シェイオス!」


もはや意味分からない。

ダメだな。

殺される。

普通に行こう、普通に。

永久波音、いいか。

お前元帥の前だぞ。

死ぬか。

大人しくここは「こんばんわ」だろうタコ頭。


「おお、来たかレルバル少佐」


うろうろとドアの前ではしゃいでいたのが聞えたのかがちゃりとドアが開けられた。


「うぉぉぉ、すいません!」


一歩下がって頭を下げる。

謝るしかない。

殺される。

――と思ったんだが。


「いやかまわん。

 とりあえず話をしよう」


シンファクシはそういうと俺を部屋の中へ招き入れた。


「は、はあ」


小さな椅子に腰掛けるように言われて大人しくそれに従う。

俺が座る前にシンファクシは


「またとあるものを盗んできて欲しい。

 連合の戦闘機だ。

 最新鋭のな」


話題を振りかけてきた。

戦闘機――?


「へ?」






            This story continues.

よし!

よしよしよし!!


ここからです!

盛り上げていきます!


よしっ!!

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