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神殺しの副作用

神殺し、それにより、世界の均衡は崩れた


気候は変動、地殻も変動


神の骸からは『悪魔』という邪悪の化身も生まれた


そんな神殺しによって起こった、様々な問題


その後始末をする物語である

神を殺した


これは比喩でも、妄想でも何でもない


そのまま、そのままの事実だ


僕たちは神を殺した


理由は、、僕にもわからない


ただ、殺さないといけなかった、それだけは良く分かっている―――


イングラッド歴892年、6月■日


「なぁ、ロンド、ここから生きて帰ったら何を食べたい?」


「あーそうだなぁ、リンゴウ鳥の甘辛焼きとかは?あれ好きなんだよな」


「そればっかじゃん」


「いやいや、あの甘辛いソースが――」


ロンドが料理の詳細を話始めようとした、その瞬間


「おい、お前ら、話は後にしろ、今はここから抜け出す事が先だ」


団長が僕たちの話にそう言って、割り込み、断ち切った


セレナ・グレイ・ホワイト 性別、女 年齢、秘密


僕たちの、団長


「団長、なにか活路は見えましたか?」


「見えた、少しだけ、だがな」


荒れ行く、吹雪の中で、団長のその一言が僕を勇気づけた


「やりますか」


僕がそう言ったのを聞いて、団長は


「おう」


そう、一言だけ返事をして、背中の大剣に手をかけた


だが、少し、止まり、団長は僕たちの方に振り向く


「ちなみに、、私はダダラブが喰いたい」


唐突な団長の言葉に僕の眼は見開き、驚く


多分、僕たちを励まそう、空気を軽くしようとしてくれたのだろう


団長にはこういう所がある


「ハハッ、いいっすね」


「だろ?」


団長は笑顔でそう答える


「ちなみに、ダダラブって何すか」


「は?知らんのか?私の母が良く作ってくれてな、めちゃくちゃ美味いんだ」


「そう言われると、喰いたくなってきましたよ」


「ハッ、じゃあ、喰いに行こうか、この戦いが終わったら、皆で」


ニコッと笑いながら、彼女は僕たちにそう言った


風にたなびく、漆黒のコートを纏った、団長の、彼女の笑顔が


とても美しかった事を鮮明に覚えている


イングラッド歴892年、6月8日


神殺し事件、それが起こった日


その日から、世界は変貌した


気候、土地、時空、全てが変わった


神が保っていた均衡、それが崩れた事により


この吹雪も、その影響だ


「おい!ノクターン、ロンド、来たぞ、『悪魔』だッ」


団長がそう言った、その瞬間


目の前にヤギの角のようなものが生えた化け物が顔を出す


神を殺したことにより起こった災害は、何も気候や土地、時空の変貌だけではなかった


神の骸から、ある化け物が生み出されたのだ


その名も、『悪魔』


人類に害を与える、邪悪の化身である


僕たちは、この悪魔が蔓延る、神がいた領域、神域にて遭難している


まぁ、それも、今となっては過去の話、なのだが―――


イングラッド歴894年、12月18日


神殺し事件から、約二年後


「ねぇ、おっさん、何してんの?こんな所で」


路地裏、ネズミや様々な虫、埃の舞う暗がりで


一本の刀を支えにし、漆黒のコートに包まった男に対して


一人の金色の髪をたなびかせ、男を睨むようにして見ている、露出の高い女が声を掛ける


その声を聞き、男は目を開け、返事をする


「お邪魔、だった、かな?」


男の返事に腐った蛆虫を見つめるような顔をした後、口を開く


「邪魔も、邪魔、大邪魔、私が誰か分かってんの?」


「ああ、すまないね、すぐ退くよ」


そう言って、男は立ち上がる、そして、女の横を通り、路地裏から出ようとする


「チッ」


「拘束しろ『時を奪う鎖スティール・タイム・チェーン』」


彼女がそう唱えると、男の足元に魔法陣のような物が展開される


「ん?」


そして、その魔法陣から伸びる鎖が、男の体を纏わりつき、固定する


「はぁ、私が誰か分かっていないみたいね」


「私はこの街、最強の魔術師、アリア―――」


女、アリアは男がいる方に振り返り胸を張りながら、自分の名前を叫ぶ、だが途中で口が止まる


その理由は―――


「あいつ、逃げやがった」


そう、彼女が見た方向、さっきまで自分の魔術によって固定されていた男が


いなかった、逃げた事に気づいた、殻である


そして、頭と脳が、怒りという感情の発生を理解しきる前に


彼女は路地裏から飛び出していた


「導け『追う飛翔物体(ホーミング・フライ)』」


彼女が走りながらそう唱えると、彼女の体は浮かびだし、視界の隅に捉えた


さっきの男に向かって、進んでいく


「話の、途中で、逃げんなッ」


「拘束しろ『時を奪う鎖スティール・タイム・チェーン』」


三重奏(トリオ)


アリアは魔法陣を三つ展開する、その魔法陣から鎖が飛び出し、男を拘束しようと奔る


「できるのか、重奏」


男がそう呟き、少し考えた後


もう一つの手(ザ・ハンド)


三重奏(トリオ)


そう唱えると、三つの魔法陣が展開され、その三つの陣から黒い手が三つ飛び出す


そして、その黒い手に向かって、鎖が走り、まとわりつく


(『時を奪う鎖スティール・タイム・チェーン』の術式対象を、あの黒い手に移した?!?)


「これで、鎖は終わり」


男はそう言いながらも、後ろを見て、アリアが次展開する魔術を見るため、様子を窺っていた


すると、なにかの違和感を感じ、足元を見る、すると


「下、か」


男が下を向く、すると、ちょうど、今発動されようとしていた魔術式が目に見える


(この術式に込められている魔力量、ああ、負けか)


「『時を奪う鎖スティール・タイム・チェーン』ッッ」


「ハァハァ、これで、終わりよ、さっきの二倍は魔力を込めたわ」


「さて、どう料理してあげようかしら」


アリアは空中から降りてきて、男の眼の前に立ち、そう言い放つ


「そうね、あなた、名前は?」


アリアがそう尋ねると、男は


「名前、なんて無い」


そう答えた、その後


「ただの魔力の塊に、名前なんて贅沢な物は無い」


そう言って、消えていった


よく見ると、さっきまで持っていた、刀を持っていない事、それにアリアは気づき


「分身、魔術によって創られた分身、、」


手を握り、悔しさを噛み締めながら、そう呟く


探知(サーチ)


大体半径100mくらいに魔術式を展開する、探知の魔術式、だ


この魔術式の上にいる人間は全員把握することができる


だが、男の姿は、無い


「私が負けた、、?」


「私が負けたッ、負けた、負けた、負けた、許せない、許せない、許せない」


歩く、ブツブツブツブツと呟きながら、爪を噛みながら、どこかに向かって


「勝たなきゃ、勝たなきゃ、勝たなきゃ、方法、、勝つ方法―――」


辿りつく、自分の家に


そして、地下への階段を下りていく、そして、見つける


ある『箱』を


「方法、勝つ方法、、」


「悪、魔―――」


そう言って、箱を開く、それが深く暗い暗闇、地獄への扉だとも知らずに―――

今日の晩御飯は冷やし中華でした、おいしかったです


どうも、孤宵です


ここまで読んでいただきありがとうございました、もしよろしければ


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