ゲーム生活とチャーハン
夢中になってプレイして――ゲームを終えた。
いつの間にか深夜どころか夜が明けてしまっていた。
ウソだろ。
もうこんな時間!?
灯も姉ちゃんもさすがに眠そうだ。
「ん~、こんな時間か。私は寝る……」
リビングでそのまま寝落ちする姉ちゃん。
灯も横になって眠っていた。
「二人とも仕方ないな。とはいえ、俺も限界だ」
この場で眠るわけにもいかないので、俺は自分の部屋へ戻った。
ベッドに身を預けて夢の世界へ。
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「……起きろ正時」
ゆさゆさと俺の体を揺らす誰か。
この声は……じっちゃんか。
「ん、なんだ。じっちゃん。俺はまだ眠いぞ……」
「もう昼過ぎだぞ」
「――えッ!? マジ!?」
ばっと起き上がる俺。時間を見ると十四時と驚きの時間になっていた。……そんなに寝ていたか。
これではニートではないかっ!
「深夜遅くまでなにをしていた? 灯ちゃんとお姉ちゃんまでリビングで寝ていたし、なにがあった」
「あー…実はゲームを」
仕方ないので俺はじっちゃんにオンラインゲームのことを話した。
夜遅くまで――いや、朝までひたすらゲームをしてたと。
「……そういうことか。まったく、ほどほどにするんだぞ」
「すまん、じっちゃん」
「昼飯を作ってあるぞ。みんなで食べるといい」
「ありがと」
「ワシは出掛ける」
そう言ってじっちゃんはどこかへ出掛けた。……たぶん、パチンコか何かだろう。
俺は身だしなみを整えてリビングへ。
すると、姉ちゃんの姿しかなかった。
「あれ?」
「灯ちゃんはお風呂だ」
「……なっ」
「女子なんだ。さすがに入りたいだろ」
「そ、そうか……」
姉ちゃんの言うことは分かるんだが、まさかウチの風呂を使っているとはな。……俺が入りにくいというか、ドキドキしちゃう! いや、すでに……。
今頃、灯は風呂でのんびりか。
考えただけで頭が沸騰しそうだ。
「正時、顔が赤いな」
「う、うるさいな……! 仕方ないだろ」
「それもそうだな。さて、昼飯を用意しておこうか」
「ああ、聞いているかもしれないが、じっちゃんが作ってくれた」
「さっき聞いた。特製のチャーハンを作ってくれてある」
「ほ~」
じっちゃんの作るチャーハンは美味い。まるでお店のようなクオリティなんだよな。どうしたら、あんな味付けにできるのやら不思議で仕方ない。
灯を待ち、十分後。
少しすると戻って来た。
「良いお湯でしたー…って、正時くん!?」
「お、おはよう。灯」
体の火照った灯が現れ、俺を認識すると顔を赤くしていた。
どうやら俺がまだ寝ていると思っていたらしい。
「お、起きていたんだね」
「さっきね」
「お風呂……借りてた」
「うん、知ってる。俺もあとで入るよ」
「…………うん」
妙な空気が流れる。
決して嫌な感じはない。
ただ気まずいような、でも照れ臭いような。そんな感覚。
「それより昼飯にしよう。じっちゃん特製のチャーハンだ」
「お~! いいの?」
「もちろんだよ。灯、じっちゃんの料理は美味いぞ」
「ありがとう。じゃ、お言葉に甘えて」
テーブルにお皿を並べていく。
それとお茶とスプーン。
……さて、いただくか!




