最強の武器でレベリング!
驚いたことに、灯はオンラインゲーム『Excalibur Online』を極めていた。
初心者の俺でも、これはヤバすぎると理解できた。
一応これでもソシャゲは散々プレイしてきたし、それとなく分かるつもりだ。
俺は、灯の指示通りにアカウントを作成。
キャラクターを作り、チュートリアルを進めていく。
職業は『剣士』、『魔法使い』、『弓使い』、『鍛冶屋』、『聖職者』、『商人』、『盗賊』の七つ。好きなのを選ぶ。
俺は『剣士』を選択。
初心者向けらしいので。
「よし、キャラは出来た」
「おーけー。じゃ、魔法学園のチュートリアルを終えたらこっちへ来て」
魔法学園を出ると王都に出た。
中世をモデルにした建物があちらこちらに広がり、多くの人たちが行き交っていた。……これ、ほとんどがプレイヤーか。こんなにいるとはな。
「街中すげえ活気だな」
「中心街は露店になっているからね。アイテムの売買とかできるよ」
「詳しいな」
「まあね」
大通りには、ざっと数百人以上。
商人を使い露店を出していた。
中を覗くとレアアイテムが凄い額で並べられている。なんとかの盾が1,000,000ベガ……? 日本円にして百万円ってことか。
「オンラインゲームってこんなに人がいるんだな」
「すごいでしょ。古いゲームだけど、未だに人気あるからね」
「ああ、驚いたよ」
灯のキャラは『魔法使い』であり名前を『ラディウス』といった。
なんだか派手な見た目をしている。
「わたしについてきて」
「な、なあ……灯」
「ん?」
「灯のキャラってなんか服とか凄いな」
「全身が入手困難な激レアアイテムだからね」
相当やり込んでいるようだな。
リアルは走ったり、ジムトレーニング趣味だったりするのに……まさか、オンラインゲームまで極めていたとは。
なんか負けていられないな……!
俺は灯についていく。
王都の外へ。草原フィールドへ飛び出ると、スライムがあちらこちらに転がっていた。おぉ、あれがモンスターか。可愛いな。
「あれを倒せばいいのか?」
「うん。剣はあげるから」
強そうな剣を地面に落としてくれる灯。俺はそれを拾った。
剣の名前は『S級サブマ』といった。
なんかめっちゃ強そうだぞ。
しかも低レベルでも装備可能らしい。俺はそのサブマを武器にした。
さっそくスライムを斬ってみると、一撃で砕け散った。
「うぉ!?」
「さすが神器だね!」
「神器かよ!!」
そりゃ強いわけだ。
てか、スライムじゃなくても良さそうだぞ。
「この先の迷いの森へ行こっか。そこには強いモンスターも多いから倒せば一瞬でレベルアップできると思う」
「よし、行こう!」
はじめから最強とか最高すぎるな!
その後、俺は神器を使い強いモンスターを倒しまくった。経験値を大量に稼ぎ、レベルは50を超えてしまった。
「結構レベル上がったね、正時くん」
「ああ。もう王都周辺のモンスターを狩っても美味しくなくなった」
「ダンジョンへ行く方がいいね」
「やっぱりあるんだな」
「うん。めっちゃ強いとこ知ってるから、そこへ行こ! 一瞬でレベルカンストできると思う」
「それやべーな!」
「でしょ。わたしが補助するからがんばろっ」
ぶっちゃけ俺はこのゲームにハマっていた。
ずっとソシャゲしか知らなかった俺は、オンラインゲームの楽しさを知ったのだ。灯と一緒に遊べるだなんて夢にも思わなかった。
強くなって灯といろんなダンジョンを巡りたい!




