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三番目に可愛いクラスメイトが天使すぎて人生はじまった  作者: 桜井正宗


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32/60

◆姉ちゃんの大技でトラウマ克服!?

 糸でくくられ、垂れ下がる五円玉。

 それを俺の目の前で揺らす姉ちゃん。


 って、まてまて。まさか『催眠術』でトラウマを治すというのか……!? そんなアホな!



「ちょ、無理だろ」

「無理ではない。人間に不可能はないのだ」



 なにマトモなこと言っているんだ。

 いやしかし……なんだろう。


 ね、眠くなってきたぞ……。マジか、ありえねえ。


 ウトウトしはじめてきた俺。

 (まぶた)がかなり重い。


 ………も、もうダメだ。



「………………」



 また、

 また悪夢を見てしまうのか……。


 いや、違う。


 今までとは違う黒い世界ではなく、白い世界に俺はいた。



『――熊野くん』



 ん?

 誰かの声?


 この声は……三沢さんだ。

 やがて現れる三沢さんの姿。なぜか裸だったけど、肝心な部分は見えていない。なんだか神々しい。女神様のようだ。



「三沢さん……俺、ついにトラウマを克服できたのかな」

『がんばって』


「え?」


『マラソン大会……がんばってね』



 ……そうか、そうだな。一番を取って彼女になってもらう。それが条件だったよな。


 光が消滅していく。

 夢から覚めていくような、そんな感覚。


 やがて俺の意識は現実へ戻った。



「――――ハッ!!」



「熊野くん、大丈夫!?」



 目が覚めた。目の前にはリアルの三沢さんがいた。……可愛い。ではなく、催眠術にかかって悪夢を見なかった。



「どうだ、正時。悪夢は見なかっただろう?」

「あ、ああ……驚いたよ。催眠術って効くんだな」

「今お前に楽しい夢を見る暗示をかけた。今後はもうトラウマを見ることはないはずだ」

「ちょ、姉ちゃん凄すぎるだろ。最初からやってくれればよかったのに」


「残念だが、そう単純な話ではない。催眠術は一歩間違えれば相手を死に至らしめる危険な術だ。あと今回が初めてだったから、成功する保証がなかった」


「って、うぉい! 失敗したらヤバかったんじゃねえか!?」


「成功したんだ、文句はあるまい」



 そりゃそうだけど、下手すりゃ死んでいたのか俺。

 ともあれ、俺は悪夢を見ることがなくなったらしい……?



「終わったところでお昼にしよ~」

「ああ、三沢さん。そうしよう」



 三沢さんの手作り弁当がテーブルに広げられていく。おぉ、おにぎりとはな! しかも単なるおにぎりではなかった。


 分かりやすく具が見えていた。


 シャケ、オカカ、タマゴ、チキンライス、ハンバーグ、ミソ、赤飯、チャーハンなどなど……。



 豪華すぎィ!



「これは凄いな。三沢さんが作ったの?」



 さすがの姉ちゃんも驚いていた。



「そうなんです。いっぱい作っちゃったので、ちょうど良かったです」

「素晴らしい。三沢さん、ウチに欲しいな」

「べ、別にいいですけど……」



 いいのかよ!!

 姉ちゃんナイス……!


 てか、それもうお嫁に来てくれるようなものでは……!?


 さっそく俺はチキンライスおにぎりを手に取った。


 ラップを剥がし、口へ運ぶ。

 冷めていても味はしっかり広がり、美味くて感動した。す、すごい。さすが濃い味付けだけあって最高。



「うん、美味しい」

「良かった。いっぱいあるから、どんどん食べてね」


「ありがとう!」



 三沢さん特製のおにぎりを味わっていく。う~ん、幸せ!

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