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三番目に可愛いクラスメイトが天使すぎて人生はじまった  作者: 桜井正宗


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◆終わらない悪夢(寝取られ)

 授業がはじまっていく。

 だるい、眠い。

 朝かなり無理をして走ったせいか疲労が溜まっていた。おかげで今なら三秒で夢の世界に落ちる自信があった。


 いや、眠ってしまおう。


 この状態ではどのみち……もう無理だ。



 呆気ないほど刹那で眠ってしまう俺。



 今なら良い夢が見れそうだ。



 ――ぱんぱんぱんッ!

 ――ぱんぱんぱんッ!

 ――ぱんぱんぱんッ!

 ――ぱんぱんぱんッ!

 ――ぱんぱんぱんッ!

 ――ぱんぱんぱんッ!




「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……!!!」



 飛び上がると、まだ授業中だった。

 クラスメイト全員が何事かと俺に注目。もちろん、担任の溝口も。



「熊野、大丈夫か……?」

「す、すみません。眠っていました」

「なんだとォ? 授業中に悪夢でも見たのか、お前は」



 するとクラス中から笑い声が。

 くぅ~…さすがに恥ずかしいな。


 穴があったら入りたい……。



「ねえ、熊野くん。汗凄いけど……」

「み、三沢さん。前にも言ったかもしれないけど……悪夢を見るんだ」

「それで熊野先生のカウンセリングを受けているんだよね」

「ああ。まさか授業中に寝落ちて……悪夢を見てしまうとは思わなかった」


「もう一度、熊野先生に相談した方がいいかも」

「そうしてみるよ」



 残りの時間は気合で起きた。

 もうあんな悪夢を見たくなかったからだ。


 なんで毎度毎度、古賀さんと瀬戸内さんの……寝取られシーンなんだよ。もう見たくないのに……!

 それほどまでに、トラウマが強すぎるってことなのか。


 チクショウ……!



 授業が終わり――昼休み。



 保健室へ向かい、緊急で姉ちゃんに俺の状態を見てもらうことに。ついでに、三沢さんが作ったお弁当を保健室で食べようという計画だ。



「さあ、行こっか。熊野くん」

「うん」



 一緒に教室を出て保健室へ。

 その際、黒部さんがこちらを見ていたような気がする。なんだろう、今朝から見られているような。


 気のせいかな。


 少し歩いて保健室に到着。

 前もってスマホで連絡をしておいたので、姉ちゃんはいるはずだ。


 扉をノックして中へ。

 すると待ってましたと言わんばかりの顔で、姉ちゃんは俺と三沢さんを出迎えてくれた。


 三沢さんの手作り弁当を分けるという条件で、保健室の使用権を獲得できたのだ。



「ようこそ、正時。それと三沢さん。さあ、席へ」



 俺と三沢さんは丸椅子に腰かけた。

 さっそく俺の容体を見てもらうことに。



「姉ちゃん。俺……授業中に眠ってしまって、また悪夢を。頻度が高くなっている……ヤバいかもしれない」


「ふむ。どれ」



 目をべろんとしたり、口の中を診たり……ガチの診察をしてくれた。結果、異常なし。……ないのかよ。



「え、終わり?」

「ストレスや疲労はあるな。だが、強いものではない。やはり記憶か。いいか、正時。忘却はよりよき前進を生む。……忘れろ」


「そんな簡単に言ってくれるなよ。それが出来たら苦労しない」


「ちなみに今のはニーチェの言葉だ」

「知らねえよ~…」



 姉ちゃんは偉人の言葉が大好きらしい。

 よく引用している。



「あの、熊野先生。熊野くんは本当に辛そうなんです」



 三沢さんがそう真剣に訴えかけてくれた。嬉しいな。



「分かっている。仕方ない、荒療治を試してみるか」



「「荒療治!?」」



 俺も三沢さんも同時に驚いた。

 いったい、なにをするつもりだ……?



「正時、お前にこれだけは使いたくなかった。だが、トラウマを克服するにはこれしかないのだ」



 ま、まさか……それは!

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