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三番目に可愛いクラスメイトが天使すぎて人生はじまった  作者: 桜井正宗


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28/60

◆悪を自分の力で滅する

 身構えていると、安田はポケットからナイフを取り出した。に、二本目……!


「ふははは! 予備の武器くらいあるんだぜぇ!!」


 クソッ、またかよ。

 三沢さんも呆れていた。


「安田くん……。もう止めなよ!」

「止めるぅ!? そんな選択肢は俺にはないね! 熊野をぶっ殺すまではなァ!!」


 コイツ、完全にイカれてやがる。

 それと同時に許せんという怒りの気持ちが高まった。コイツのせいで俺と三沢さんの貴重な時間が失われているのだからな。


 一刻も早く安田を排除して、俺は三沢さんと楽しい時間を過ごしたい。


 だから、今度は俺が安田を止める……!



「おい、安田!」

「あァ!?」


「今度は俺がお前をぶっ飛ばす!!」

「馬鹿か! こっちはナイフを持っているんだぞ!!」



 血走った眼を向け、向かってくる安田。

 三沢さんがかばってくれそうになったが、俺は止めた。



「大丈夫だ、三沢さん。俺はこんなヤツに負けないよ」

「で、でも……! ……うん。分かった。でも危険と感じたら、わたしが全力で反撃するからね」


「ああ。それでいい」



 俺はそのまま安田の方へ向かった。

 ヤツはナイフを向けて俺の心臓目掛けてくる。

 ストレートに攻撃してくるとは、単純すぎる。これなら鍛えられた今の俺なら……簡単に回避できる。


 ひょいっと避けて、安田の腕を掴んだ。



「なッ!! ウソだろ!!」



 意外だったのか安田は叫んだ。



「安田。俺はな、毎朝走っている。密かに腕立てやスクワットもしている。恥ずかしくて言えないけど、シャドーボクシングもしている! お前と違って真っ当に鍛えているんだ! 好きな人に振り向いてもらいたくてな!!」



 拳を握りしめ、右ストレートを安田の顔面にブチ込んだ。

 完全にヒットとして、ヤツの顔に俺の拳がメキメキとめり込む。そして、吹っ飛んだ。



「んぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ…………!!!!!」




 上手くいった!

 ケンカなんてしたことない俺だったが、動画投稿サイトの格闘技の番組をよく見ていた。だから戦い方だけは知っていた。

 見よう見真似でもいけるものだな。


 安田は地面を数十メートルも転げまわり、ぶっ倒れた。

 ガクっと脱力して気絶した。

 俺の勝ちだな。



「熊野くん、すごい……!」

「なんとか上手くいった……」


「ど、どうする?」

「先生を呼んできてくれ。俺が見張っているから」

「うん、分かった」



 その数分後、三沢さんが担任の溝口やその他の先生を呼んできた。

 今回のことは事件化され、安田は署まで連行された。これでもうアイツは退学になるだろうな。


 俺たちは事情を話したりした。


 そうして一時間と経ち、三沢さんと遊ぶ時間もなくなった。


 姉ちゃんが車で送ってくれることになり、乗り込んだ。



「まったく、正時も三沢さんも不運というか……。なにをやっているんだか」

「俺たちのせいじゃないだろ、姉ちゃん」

「まあ、安田が悪いのだがね。しかし、こう事件が多いと大変だな」

「すまん。俺のせいなのは分かっているよ」

「自覚があるならいいが。まあいい、家へ帰るぞ」



 それ以上、姉ちゃんが突っ込んでくることはなかった。

 まずは三沢さんの家へ向かうことに。

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