妖精さんはおおいそがし
世界には数えきれないくらいの妖精さんがいるのです。
妖精さんたちは毎日、私たちの見えないところで、思いおもいに元気いっぱいですごしています。
お花といっしょにわらって、風にふかれて雲の上までのぼり、雨といっしょにおりてきます。
あかりや花火をまねしてひかってみたり、気にいった音をうたってみたり。
わらっている子のそばではとびはねてよろこび、泣いている子のそばにはそっとよりそいます。
そんな気ままなたくさんの妖精さんが、一年になんどか、みんなで力を合わせることがあります。
その朝がくるとふしぎと妖精さんたちは「今日だ!」とわかります。
むねの中にワクワクとドキドキがたまっていって、はじけてしまいそう。
妖精さんたちは、朝の光を感じる前からそわそわしっぱなしです。
まだのぼらない太陽からもれでた光で、夜からの星が見えなくなってきたくらいに、すぅっとした風がとおりぬけました。
いっくよーー!!
妖精さんたちは風を合図にいっせいに動きだします。
それぞれの妖精さんがおどるように飛んでいきます。
とってもしずかですが、今まさに世界がぬりかえられているのです。
キラキラした小さな光がとびまわっているのが見えるでしょう?
妖精さんが見えなくても大丈夫。
一番わかりやすいのは空の色です。
見てください。太陽がのぼった空の色を。
あざやかな夏の青空から、深く高い秋の空になりました。
うれしそうに飛びまわる妖精さんは、どんどん世界をぬりかえていきます。
ほら、空気も、秋のにおいになりましたよ。
飛びまわってつかれた妖精さんは、まだ花のついていないキンモクセイでひとやすみ。
キンモクセイさんがあらわれて、妖精さんのために舞ってくれました。
モミジさんやイチョウさんもやってきましたよ。
やすんでいた妖精さんもいっしょにおどりはじめて、もうおまつりさわぎです。
元気になった妖精さんたちは、また飛んでいきます。
まだまだ全部をぬりかえられていませんからね。
ちいさなつぼみにも、はっぱにも、妖精さんは飛んでいきます。
たくさんの実、生き物、わたしたちのこともわすれません。
虫ときょうそうしたり、風にまかれたり、ひっくりかえったりしながら飛んでいきます。
ゆうやけのころには、あたり一面すっかりきれいな秋色にかわっていました。
まんぞくした妖精さんたちはくるんとまわってきえていきます。
力をだしきったのでしばらくねむるのです。
つぎに目をさましたら、なにしてあそぼう?
妖精さんたちは秋色の楽しい夢を見るのでした。
仙道アリマサ様、素敵な曲をありがとうございましたm(_ _)m。
初めて聞いた時に浮かんだのが「ユーリ!!!onICE」(アニメ)の主人公が超絶技巧でフィギュアってる映像でした(いろいろすみません)。
今回の曲で一番好きな部分が1分過ぎたあたりからの部分で、ここで足技を披露してくれそう! とついつい妄想が。
だから印象は、試合や発表会などの前向きな緊張感や高揚感でした。
学生さんの部活動大会の話にしようかとも思いましたが、ずっとハイテンポでキラキラしているので、人間よりも小さくて動きがちょこまかしていてキラキラしてそうな妖精さんの話になりました。
(ここでの妖精さんは名前や役割が決まっている妖精ではなくて、そうなる前の幼体というか、世界の力が集まって動けるようになったばかりの名も無き小さな生命みたいな感じです)
書いていて楽しかったです。
こちらまで読んでいただきありがとうございました!