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【一章完結】不のものクエスト〜誰もクリアできなかったクエスト攻略したけど、初めからやり直し?手に入れた不の力で神どもをぶっ飛ばします〜  作者: knockhai
第二章 バグった世界のバグったものたち

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37.全てが煌びやかになる

短いですが、また夜にもう一話あげます。




「僕の歌よ!みんなに届け!!」


 声が変わりがしていない高音混じりの声が、メロディに乗せてその場にいるものたち全てを惹きつける。


「〜〜♪」


 その声から発せられる"波"。それが彼を中心として周囲に波紋のように広がる。その波に飲まれた全てのものはそこに注目せざるを得ない。


「よくやった。さすが、いいところで魅せてくれじゃねぇか」


 内で練られて膨らんでいた不がスッと散る。


「なんだ!どうなっている!っぐ!」


 金髪女騎士は突然始まったライブに驚き、応対しようとする。が、すでに体、頭、目、意識はそこに向けられている。少しの抗いができるのは、レベル差ゆえか。


「ほう、これは!ははっ!すげー!これが松田の"ユニーク"か!心が自然と高揚してくる!」


 今ならなんでもできる気分にさせてくれるなこれ!


 滑らかな動きから、しっかりとした芯のあるダイナミックな動きまで重ね合わせて歌とダンスを披露する松田。殺伐としていた雰囲気から一変として段々と明るくなる。そしてそれと共に黄色い声援も出始める。


「かっこいい…」「あれ、涙がなんで……」「綺羅斗様にそっくりだわ!」「この世界にもアイドルが…絶対に生き残ってやる」「私も。無事帰れたら推すわあの方を」「目が離せない!目を離さないっ!」


 きっと色んな心境をそれぞれが内に宿している。全部とは言わないがそのほとんどは諦念や失望、落胆、絶望だ。訳も分からずこの世界に連れてこられ、"挑戦者"として上を目指さなれけばならない。この世界で暮らしていくという決意をしたものも過去にいるだろうが、それは無理なのだ。


 怠慢を許すほど、甘くはない。上を目指す気がないものは罰が下る。


「ある意味こいつの力は、あいつらの望む力ってことだな」


 どこからともなく、きらきらとしたなにかが降ってくる。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 僕は今、注目されている!


「キラりん⭐︎ キラりん⭐︎ ウィンクするたび世界が変わるよ〜♪ 両目瞑りはお預けっ♪」


 みんなが、僕を!僕をみている!


「3.2.1でステーップを踏み込まない君でもいい〜♪ 代わりに僕がステーップ♪」


 これこそ!僕の役割だ!


「溢れ出すキラりん⭐︎ キラりん⭐︎ おまけがそしい?いいよあげるよ〜 」


 これ以上ないぐらいに、僕は!輝いている!


「キラリン☆」


 ステージがきらきらとした何かに包まれる。


 松田が作詞作曲、振り付け全て1人で考えついた代表曲「好きでしょ?嫌い?≠キラりん☆」は、これ以上にないくらいのベストパフォーマンスを発揮した。こじんまりとしたちょっとした休憩スペースやサブのサブで面白半分にパーティに参加させられた討伐クエストで下積みを経験していた松田。こんなにちゃんとしたステージで踊れるなんて思っても見なかったからか、やけに心が浮く。それはいい意味で今、黄色い叫びとして返ってきていた。


 きらきらとした何かが周囲にも降り出し、包む。


「みんな!突然現れてびっくりしたかな?でも大丈夫、僕がここにいる限り誰も傷つかない!もちろん、僕もね?☆」キラッ


 イラっ


 なにかこの場にそぐわない反応があった気がするが、気にしない。なぜなら今この場で松田に敵うものなどいないのだから。


「なんだかみんなの声が聞こえるよ!悲しみや悔しさ、絶望してる声がみんなみんな僕に届く!」

 

 ハイになっている松田の頭の中に、その場にいるものたちの心の声が聞こえてくる。


「ううん、だめだ。だめだよ!僕の前ではみんな、希望に満ち溢れてなくちゃ、だめなんだ!」


 松田から出るきらきらとした何かが、周りに噴出する。


 なんだこれ?なんだこの高まり!この現象の名前を僕は、知っている!


「"夢を現実に"!」


 辺りが全て、煌びやかになる。

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