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【一章完結】不のものクエスト〜誰もクリアできなかったクエスト攻略したけど、初めからやり直し?手に入れた不の力で神どもをぶっ飛ばします〜  作者: knockhai
第一章 風呂場に浮かんだ無数の垢から足掻いて

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12.あつまれ

あまりに読みにくいと思ったので、並の喋り口調に戻しました。


※以下、コガメの言葉表現を普通にしています。

舌足らずな言葉に脳内で置き換えてお読み下さい




「とりあえず、無様に転がってるその姿をから戻りなさい」


「んお?お…おぉぉおおお!」


 手をパンと叩く。鳴り響く音が目繰を生身と繋げる。その繋がった音の線が質量が軽い方を引っ張り生身の体に勢いよく戻す。


「…っ?!ーーー!!!!!ぁぁあああっ!いっでぇェ゛ェ゛!!」


「まだ痛みがあったのね、フン!」


 未だ唸り呻きうねうねと地べたを這う青年を見向きもせず反対の方向に向き腕を組む少女。


「じきに治るわよ」


 そう吐き捨てた。



♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫



 二人は今、黒い箱を見つめている。  


 コガ…ゲフン 少女は言った。力を止めている、と。それはパスを繋げているからできることなのか、はたまた少女自体の力なのか。


「力は使えるようになってるはずよ。早くしましょ」


「はやくって…あいつらまだいるのか?」


「分からない。だから切って殺すの」


 このブラックボックスの中に、確かに目繰は不成人を閉じ込めた。それが十分な証拠だと、考えているのだがどうやら違うらしい。


 外側からはまったく内側の様子が見えない。故にブラックボックス。開けてみるまで分からないとは消耗のわりに損した気分である。


 ちなみに服は無事に着ることができた。意味不明な"分からない"現象は見当たらず、能力を解けばその現象は消えるものと決め込み対処は楽になった。


「とりあえず、俺もこいつらを処分することに同意だからさっさと始めるか」


 実際に攻撃が通るのか、少しの疑問を抱きながら


「在れ!」


 左手が暖かく光る、その光が強くなっていき目を開ける。そこには、以前出したものと同じ、全てが黒く染まった短槍・片鎌槍があった。


「……」


 コガメはその様子をじっと黙ったまま見つめている。


「……えーっと、武器を出したのはいいんだが、どうすればいいんだ?」 


「……私もしらない」


「え?なんだよ、それ。大見得切っといて、方法があるのかと思ったじゃん」


「イヒが出したものだから、私は詳しくは知らないの。自分で考えて」


 舌足らずな口調と偉そうな態度が噛み合ってなくて可愛いから許そう。それにしてもどうしたものか。箱を一旦解き、出てきた不成人を武器でヤるか?


(それじゃあ、またあの数を一気に相手にしきゃいけない。この考えはなしだな)


 腕を組み「うーむ」と唸る。ヤりようはいくらでもありそうなのだが、いかんせんこの箱をどう扱うかということに収束してしまう。


「イヒに聞いてみれば」


「あぁ、……」


 なんとも微妙な反応になってしまう。それもそうで、イヒに何度かコンタクトを取っているが、返ってくるのはーー、


『目繰巡ってメグリ通せ』


「これなんだよ、意味がわからないんだよ」


「? 私には聞こえないわ」


「え?そうなのか?てっきり聞こえてるもんだと……」


 パスは繋いでるみたいだが、あくまでそれはそれこれはこれ、ということなのだろうか。


「私はあなたの中にいたの。でも、イヒと一緒にいたわけじゃない。だから知らない」


 中々な情報をぶっ込んでくる。


「何?俺の何にいたのか?それはどういう……」


「それよりも今はこの箱をなんとかする!」


「……そんなこといったってどうすりゃあいいんだよ。おいイヒ!いい加減そのなぞなぞみたいなのやめろよ!」


『ーー』


「はぁ、今度はダンマリかよ。困ったやつだ」


 ついに、イヒからの返答がなくなりどうしようもなくなってしまった。しかし、力自体は継続して発現したままなので、完全にというわけではなさそうだ。


「さっきからイヒはなんて言ってるの?」


「あぁ、目繰巡って目繰通せだ。発音的に俺の名前だけど、巡り巡って巡り通せ、もありえるな」


 その意味で考えると、なんだかがんしゃらに頑張れと応援されているように思う。しかし、そうではないのだ。言葉に包まれるのは"負"の感情。それを前から感じ取ってはいたのだが、気にするほどのものではなかった。


 それが強くなったのは、今この時からだ。


「めぐり、めぐって、めぐり、とおせ……」


 今度は少女が考える。これ以上なにがあるのだろうかと顔を伺うが、心当たりがあるような雰囲気を出している。すると、急に思いついたように、ハッと視点を上に上げて目繰を見つめる。


 確信を得るために少女は問いかける


「あなたはのなまえは?」


「は?何言ってんだ…っ……。目繰だ」


 問われたことに答えろと言った感じで、睨む。その小さな体からおそよでないであろう圧を感じ、即時回答する。


「めぐりね。まぉいいわ。よく聞きなさい。私はねぇさまと一緒だった時の、記憶を共有していた。」


「だから、禁書庫の内容もある程度覚えているの」


 何かが疼く


「たくさん本があった。内容は色々。ただ、し、書庫の中にある本は全て世にでてはならぬもの」


 とめなければ、そんな気がする


「総じて、禁書。それが例え、まったくのうそしか書かれていなかったとしても。わかる?」


 分からない。俺はーー、


「そこにある本に共通してるのは、みな何かしらの理由があって収められている。そうね、嘘だったとしても本当だと思わせるような地位のものが扱ったら…とかね」


 さっきから体が思うように動かない。


「だから、そういう本もあるという前提で考えていたから、つい流してしまったのかもしれない。」


 ウゴケ

 

「あなたはだれ?」


 俺は、、、

 


♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫♪♫



 なんだ、これは。なんだ、この感覚は。今まであまり自覚していなかった皮膚をめくられたような恐怖感と痛みと脳からなにかが溢れてきて、どんどんどんどん溢れていく。抜けていく。血の気が引いていく。


「アナタハダレ?」


 そのことばの意味がわかり始めて、脳汁が空っぽになり、寒い。震える


 ブルブルブルブルブルブル


 誰?だれ?ダレ?


 オレハニンゲンダ


「私の出した答えは一つ」


「あなたはほんもののめぐりじゃない」


 俺は俺だ。決して偽物ではな、い


「私が初めにあっためぐりと今のめぐりは違う」


「ほんとに小さな、小さな綻び。糸にそれがあったとしても千切れるわけじゃない、気にする方がバカバカしくなるほどの綻び。それが今のあなたからやっと気づける」


 糸?綻び?俺は綻ぶことのない一本の線だ。綻ぶ余地なぞない。


「今まで気づかなかったのは、万に一つ、億に一つ、それ以上の確率で本人に近かったからなのでしょうね。もうそれは…本人といえるのかもしれない」


 あぁ あぁ あぁ


「いい加減にしろよ。戯言も大概にしろ。そんなこと話してる時間があるのか?今はこのブラックボックスをなんとかすることを考えようぜ。」


「天上クエスト」


「あ?」あ? あ? あ?


「知らないわよね。知っていたとしても忘れるのがこの世界の理なのだから。例えーー」


()()()()()でこの世界に来た貴方にも、適用されるのがこの世界の理なのだから」


 "全てはあいつの裁量によるもの"


「可能性としてあり得る。あなたの故意無意はどうでもいい。今の私に披露できる知識から出した答えはこれなのだから」


 ゼロではない可能性から知識を組み合わせて紡ぎだした少女の解答は、二人にとってはなはだどうでも良く、今この場で論議した所で進めるわけではない。


「要するにイヒが言いたかったこと。それはーー、」


 ウゴケ


 ウゴケ ウゴケ ウゴケ 


 マニアワナイ


 一歩踏み出せば届く距離。


 そのこれからも幾度となく助けてくれるであろう、必然知識の探求者を。


 これほど、邪魔だと思うことは、これっきりにしなければ。


 ウゴケ ウゴケ ウゴケ


 力を貸そうか?


 ーー


 ーー 


 ーー


 いや、いいや


()()()()()()、よ」


 目繰はすでに諦念している。この場に来た時点で、こうなるのではないかとどこかで思っていたのだろう。全てを諦めた青年は次になにが起こるのか、それも分かっている。どうせ、


『出来、出来。カケラの娘』


 ほら


『娘は目繰に気付きを与えた』


 ほら


『先ず、此れで良し』


 ほら


『褒美 喰え 解』


 ほら


 ブラックボックスが一瞬で消え、中にはまた黒の箱。それはパンパンに膨らんだ不の滓玉。煮詰まった料理から出た灰。風呂場に浮かんだ垢。


 ほら


 体が動く、動かされているではなく、動いている、自分の意思で、動く。


 左手にある槍を縦に、自分の前に持つ。右手は片鎌部分の腹に手を添える。


 ほら


「廻れ」


 言葉を喋る、自分の意思で、喋る。


 ほら


 その言葉とほぼ同時に添えた右手を顔の前で左から右に素早く、凪ぐ。


 片鎌を遠心力とし、槍の切先を中心に回転する。回転が止むことないその状態から、膨らみ雑に固められたカスに勢いよく向かう。


 ほら


 向かった先からその勢いを殺すことなく高く飛び上がり、5mはあろう塊の頂上までたどり着く。


「不……不不……不……」


 三十の目が一斉に集まり、目繰を上に見つめる。その目には、嘆、悲哀、絶望、恨、不快、辛抱、後悔、孤独、惑、恐怖、失望、屈辱、喪失、落胆、焦燥、未練がーー、


 ほら


 ちょうど残り滓の真上の位置まで来た瞬間、目繰は空中で逆さまの状態から槍を構え、叫ぶ。


「成る」 


 先から近い管留めから柄が飛び出る。回転を維持したまま、伸びた片鎌槍は地面に向かう。合間にある滓など、ただのカスでしかなく、抉り、屠る。


「不ぁあ゛あ゛ア゛!!!不゛ぅ゛っ!」


 断末魔が広がる。そのカスの至る所から汚い音を撒き散らしながら、そこかしこにカスが飛び散る。


 ほら


 槍が地面に刺さり、やっとその回転が止まる。滓が全身に付いた状態で、目繰自身も静止する。


「何が……起こったの……」


 少女は困惑し、混乱している。自分が発した言葉から、突然めぐりが動き出し、黒箱(ブラックボックス)が消え、パンパンに詰まった残り滓が現れ、そして、ミキサーに放り込まれた様にグチャグチャにーー、


 ジュワーと音が鳴り始める。滓から煙が出始め、空中に漂う。その煙は器を探しているように漂い、少女に近づいていく。


「あーー」


 ほら


 口を大きく開けた少女。煙がその一点に吸い込まれるように集まり渦を巻きながら入っていく。


「あーーーあむ!っぷはぁ!」


 ほら


「うっぷ」


 ほらね?







少しでも面白い、気になると思っていただけた方がいれば嬉しいです。


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