2話 ほんとに初戦闘ですか?
初めに、戦闘描写がとても苦手です。
今回は最低限しか書いてないので凄くあっさり終わってますが、今後はしっかり書きたいです。
と言ってもそんなに戦闘描写が多いお話ではないんですが。
異世界グリアノールのアリゼニア大陸にいる望史たち。アリゼニア大陸は比較的大陸内での争いもなく、シベリペア城の王子マルス・ストフェルが行った大陸内平和条約により、大陸での争いが処罰されてしまうぐらいだ。
しかし、大陸ごとのいざこざは結構あり、大陸での争いが避けれなくなってきているのも現状なので、この条約自体の見直しが必要になっていると言われている。
「ということなんで、異世界あるあるの一つガラの悪い人達に絡まれるってことはこの大陸にいる限りなさそうですな。」
「そんなのがあるあるなんだ····。」
麻衣は異世界系のアニメやら漫画を見ていないので反応としては正しいな。
「まあ、僕としては勇者だからそういうのはないって思ってるけど。」
「でも、暫くは勇者補正はないようなもんだぞ。恐らく事件に巻き込まれて、それを解決すれば名誉がもらえるんだろうけど。」
勇者はどこでも自給自足ってことですよねー。
〈それどころか後の勇者のために跡を残さないとならないぐらいです。〉
え、めんどい。林頑張って。
「ねえねえ、もうそろそろ着くよー?」
「おー、そうか早助見張り番お疲れさん。」
「いえいえ、これくらい余裕です!」
知佳が街がそろそろということで周りの見張りのために能力を使っていた早助を呼び、5人でまとまって行動をする。
目の前にはアリゼニア大陸最大の都市ザンビルがすぐそことなっていた。
『アリゼニア大陸最大の都市はザンビルですがここに城があるのではなく、ここから西に行った所のシベリペアという街に城があります。理由は西にあるジンパーク大陸が資源豊富で貿易も盛んなのがあります。
なので、アリゼニア大陸とジンパーク大陸は友好関係であります。』
検索さんから事前に説明がされた内容がこんな感じ。まあ、一つの国としてやりやすい所に構えるのは正解だな。
「さて、では初街といきましょーか!」
俺たちは門を通り、街へと入っていった。
街の様子はとても活気で、流石最大の都市とでも言うべきか、お店や人が沢山いる。最初転移した場所が北海道とか言ったけど、ここは完全に東京ですね。
〈そういえば、皆さんのスマホにマップも入れておきました。どうぞお使いください。なお、スマホは街でも使えるように誤認魔法をかけてありますので安心してつかってください。〉
検索さん、マジありがたいです。てか俺の能力ここまで出来るのね。
「ふーん、結構飲食できるお店が多いわね。」
「そうだねー。どんな料理あるのかなー?」
女子2人はこの世界の料理に興味があるようだ。
「鍛冶屋が··ここにあるな。」
まあ、林は武器ほしいんだよな。
「望史先輩、これからどうしますー?」
「やっぱり早助が一番まともか····。一人でもいるだけましか。」
〈よく部活でリーダーできてましたね。〉
それはそれです。てかなんでそんなこと知ってんの?
〈一応望史様の脳内です。望史様の記憶にあるものは全て私も把握してます。〉
え、それってさ·················。
〈はい。························。〉
あ、なんか凄いこと聞いちゃった。いや俺の能力ってここからか···。納得したわ。
「望史先輩?聞いてます?」
「あ!すまん、ちょっと考えてた。さてこの後だが冒険者登録しても地下ダンジョンにしか関係しないらしいからまずは依頼が受けれる所に行って、お金を稼がないとな。」
「そうか、お金ないものね。それで依頼を受けるのにもお金はいるけども、私の能力で問題なしと。」
「そういうことだ。麻衣のおかげだなこれは。」
「まいまい、さすがー!!」
「まあ、貴族は嫌なんだけどね。」
そろそろ、ちょっとずつ慣れて欲しいな、麻衣さん。
「さて、ではマップでそこまでの道を教えてくれ。」
『了解です。』
検索さんの力で位置とそこまでのナビをしてもらい目的地の施設へと着く。
他のものと比べて造りが少し豪華で華やかな建物が依頼を受ける冒険者ギルドである。
ちなみに地下ダンジョンのギルドは迷宮ギルドという名称だ。ここちょっとややこしいな。
「さて、じゃあ行きますかー。」
中に入るとよく見る光景。受付に女性が居て、反対側は冒険者達の憩いの場になっている。
····これでガラの悪い人出たら完璧だよなー。
〈なんでそんな事件を望んでいるんでしょう?〉
異世界の夢?です。
「どうもこんにちは。どうなさいましたか?」
受付にいた一人が話しかけてくる。
「ちょっと依頼を受けようかと思いまして。」
すかさず麻衣が返答をする。これは貴族の人が進めた方がマナー的に良いらしいのでそうした。
「では、こちらの中からお選びください。」
受付嬢は横にある掲示板を刺しそう言う。まあ最初に見た時にそうだろうとは思ってましたね。
「さて、どの依頼を受けようかねー。」
結構な依頼の数だ。それもそのはず、地下ダンジョンに行ってる人以外は基本的には街の中でできる仕事しかしないらしいからな。
お金が貯まれば地下ダンジョンか依頼を受けるという感じだ。なので冒険者で生きれるなんてことはない。異世界シリーズを見てきた俺でもこの状況は始めてだ。恐らく冒険者にランクが無いのもそれが理由だろう。
ってなると、お金稼ぐ手段って結構ないな。
〈そうですね。魔王とか倒せば別だと思いますが。〉
あー魔王ね。別に驚かないよ。だって勇者いるんだもん、居るとは思ってたよ。
〈しかし、壮太様の勇者としての功績が足りないのでまだ先の話ですね。〉
結局、名誉に功績はつきものってことだ。
「望史これなんてどうだ?」
林がもってきたのは良くある魔物の討伐依頼だ。
え、てか魔物討伐依頼あるんだ。この大陸はモンスター少ないんじゃなかったっけ?
〈そうですが、土地によっては魔物が増えすぎてしまう所もあるのでそういう所から依頼がきます。〉
なるほど、そういうのも移動とかの時には調べないとならないな。あ、検索さんで出来るか。
〈····。問題ありません。しかし努力はしましょう。〉
あ、すいません。
ということで林の選んだウルフの討伐依頼を受けることになりました。もちろん依頼料は麻衣のおかげでなし。でも、依頼成功すれば依頼料って戻って来るらしいのよね。失敗時の保険ってことか。貴族は単純に貰える量が増えるってことね。
〈依頼を出すのにもお金かかってますからね。そういうことです。〉
まあやる事は変わりませんねー。さて、倒しに行きますかー。
「ねえ望史、武器とかないけど大丈夫なの?」
「うん?そう言ったってお金ないから買えないぞ?」
でも、知佳は魔法打ててたし大丈夫っておもってたけど。
「いや、貴族能力でお金貰えるわよ?」
へ?何それ?
〈この世界は毎月、貴族にいわゆる税金のようなものが貰えます。貴族がお金を持たないなんてあってはいけないことらしいです。冒険者ギルドにしかないので受け取りは限られますが。〉
「さっき検索さんから聞いたんだよね。望史は聞かなかったのお金についてさ?」
うん、聞きませんでした。検索さんお願いします。
〈最初からしっかり情報はそろえましょうね。〉
お金の仕組みについて、硬貨が4種類、紙幣が3種類ある。硬貨は銅硬貨、銀硬貨、金硬貨、白金硬貨の順でそれぞれ100枚で上位の硬貨1枚となる。
白金硬貨は1000枚でナノ紙幣1枚になる。それ以降は50枚ずつでシノ紙幣、ソノ紙幣となっていく。
〈なお、紙幣を持つのはほとんど居ません。白金硬貨1000枚なんて城の財産位でしか見かけることはないでしょう。なので基本的には硬貨のみで生活が出来ると思われます。〉
ほうほう、お金の仕組みは結構簡単だな。覚えづらいと管理が大変だからな。
「分かった。じゃあ麻衣にお金は頼もう。」
「了解。じゃあちょっと行ってくるわ。」
なんか異世界なれてきたんじゃない?麻衣さん。
〈実際ちょっと楽しんでますよ。〉
あ、やっぱり。検索さんは人の心まで読めるんすか。
〈そうですね、皆さんのスマホに入ったのでそれくらいは。〉
有能ですね、いやー隠し事出来ないわ。
少しして、麻衣が袋を持って帰ってきた。
「はい、とりあえず金硬貨1枚と銀硬貨50枚。これで借りれる上限の半分だからあと半分は借りれるわ。」
「すごーい!まいまいさすがだねー!」
麻衣じゃなくて、貴族能力が凄いのよ。
「よし、これでとりあえず武器を買おうか。」
武器早く欲しいんだよね、うん。
「望史先輩、僕は後回しでも大丈夫ですよー。」
早助はしっかり考えてますな。
「はいはい、まず何よりもすることがあるぞー。服だ。学生服のままじゃさすがに目立つぞ。」
「「「「あ、確かに。」」」」
〈息ぴったりですね。〉ほんとな。
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しっかりと守備がある服と林と早助に武器として剣を持たせて、知佳は杖を持たせた。麻衣と俺は戦闘要員じゃないんで武器とかはもちませんね。
でも実は麻衣は1人だけ回復魔法が使えたらしい。魔法が浸透しているとは言え、回復魔法はやはり貴重らしい。知佳でも回復魔法はできなかったからね。
〈回復魔法はどの属性にもならない特別な魔法です。なので知佳様でも回復魔法が使えないのです。〉
検索さん、ありがとうございます。
でもさ、麻衣に役割できたじゃん。俺ますます戦闘に関してなんも出来ないね。
〈戦闘したいですか?〉
え、検索さんでもそれは強化できんでしょ。
〈望史様の能力はいつでも開花できます。ただし望史様が本当に必要になれば私の力は要りませんがね。〉
そうなのか、まあ確かにまだ戦闘が必要って思ってないけどさ。てか早く行かないと。
「望史ー、早くいくよー!」
あ、既においてかれそうでした。
ザンビルの街を出て、東方向へと向かう。ウルフがいる場所は俺たちが来た場所よりも近いので比較的早く着くことが出来た。
「えーと、ウルフは全部で15体だね。まあ異世界で最初の戦闘だから皆ゆっくり頑張ってなー。」
それくらいしか言えんもん。
「「「了解ー(です)!」」」
「私も望史と一緒に見学してるわ。」
「見学って言い方はちょっと違うけどね。まあ麻衣の力で林と早助は強くなってるしね。」
「むしろこれ以上強くしてどうするんだって感じだけどさ。」
そんな雑談をしていると目的のウルフが現れる。ウルフは基本的に3体以上の群れで行動している。今回は3体なので、一人一体ということだ。
「一応戦闘初めてだからどれくらい時間かかるかねー。」
「でも強いんだし直ぐに決着するんじゃない?」
「いやいや、いくら魔物とはいえ生命を絶つのは難しいぞ?」
異世界の人たちはそんなことないだろうけど。
「じゃあ、早助は一番左の頼む!知佳ちゃんは真ん中ので!」
「「了解!」」
この3人だと指揮するのは林だ。そりゃ知佳に任せられないからな。早助の方がましかもしれん。
林は剣を構え、ウルフの前と立つ。ウルフが突進してきたところで躱し剣でさす。···なんでそんな動けんのよ。
知佳は遠距離で魔法を使っての攻撃なんだけどね、
「よーし、獄炎球!!」
打ってる魔法、強すぎじゃない?
〈知佳様には加減を覚えさせましょう。〉
検索さん、その通りだ。
早助は身体能力をあげての戦いなのでまず準備に時間がかかる。今回は最初から能力を上げているので直ぐに戦闘可能だが、今後は早助もちょっと自力で頑張らないとな。
「ふっ、やぁ!···よいさー!」
掛け声も変えないとね。ちょっと古臭いわ。
しかし戦闘自体はスムーズで15体のウルフ討伐は直ぐに終わってしまった。なんか戦闘慣れし過ぎてない?
「改めて3人が強いことがよく分かったよ。」
「勇者を舐めたら怖いぜー、ってキャラじゃないや。」
じゃあやるの止めてね。ツッコミしたくない。
「魔法っていいねー、もっと魔物倒したいなー!」
知佳はキャラを定めていこう。うん。
「身体能力あげても疲れは変わりませんねー、能力で身体に負担でもかかってるんですかね?」
『はい。能力を使うのにも自身の身体は大切にして下さい。』
早助はこのままでいい。真面目なキャラで。
〈ツッコミ役は望史様が全てするんですね。〉
検索さんもキャラがよく掴めないです。
〈望史様とほぼ同じですよ、キャラとしてなら。〉
絶対にそれは有り得んぞ。
街に帰ってきて報告を済ませる。なんか早くて普通にびっくりされたけど。
「では報酬の銀硬貨70枚です。ありがとうございました。」
今回の報酬は銀硬貨70枚(本来は依頼料を引いて35枚)だ。まあ、初回だしこんなもんでしょ。装備とか買ったけどまだ銀硬貨10枚ぐらいはあるしね。
〈比較的物価は安いので、お金は貯まりやすいですよ
。それに地下ダンジョンもありますからね。〉
さてじゃあ今日はそろそろ宿に泊まる準備でも始めますか。
検索さんで宿屋まで行こうとしたが、そもそも冒険者ギルドの近くにあったのですぐに着くことが出来た。
「今日は疲れたねー」
「もう異世界になれてきたよね!」
君たち、まだ初日なんだよ?
そんな林と知佳の会話を他所に宿屋に入り、2部屋借りて食事付きのお金を払う。(これで銀硬貨2枚だから安いよね。)
「じゃあ男女で別れて部屋入ってなー。知佳は絶対に間違って入るなよ?」
「私はそんな事しないよー」
前に家族どうしの旅行行った時に間違って他の人の部屋に入って怒られた人がよく言うわ。
〈望史様のその感情よく分かります。〉
俺の脳内が分かる検索さんには痛いほど分かってくれた。もしかして一番の理解者になるぞ?
女子部屋
「今日は疲れたねー、まいまいは疲れてない?」
「私は戦ってないからね、でも見てるだけで気を張って疲れてるかも。」
「そうかー、それじゃあ今日はもう寝ようー!」
「いや、これからご飯もあるし、お風呂もあったんだよ?」
「あ、そうかー。じゃあお昼寝だね!」
「·····。」(私はツッコミできない···。)
〈望史様が居ないとこんなにもツッコミ役が重要な事がわかりますね。〉
男子部屋
元々2人用の部屋らしいが、3人でも全然寝られそうだな。それくらいには広かった。
〈この世界には様々な種族が居ます。大きい身体の人も居るのでそこに合わせているのでしょう。〉
あーそうか、種族があるのか。異世界で上位に来る設定のひとつじゃないか。完全に忘れてたな。
「しかし、勇者の名誉はやっぱり事件に巻き込まれた奴じゃないと上がんないんだなー。」
「まあそれはしょうがないだろ。勇者が助けるとかそういうのを蓄積するんだろうから。」
「でも事件には必ず巻き込まれるんですから、それなりに構えちゃいますよね。」
「そうだよなー、林やっぱり別行動で···」
「絶対やだよ?望史でもさすがに許さないよ?」
いや、そんなに怒らなくても。
「まあ、まだこの街にはいるつもりだし林一人にはさせないようにしとこう。」
「そうだよな、一人じゃ出来ない事あるもんな。」
そう、一人だと出来なくて名誉が下がっては困る。なので誰かはいつもついてなきゃいけない。
「まあ、貴族能力で林のステータスは上がってるから麻衣を守りながら行動が一番いいかなー。」
「それは僕もですか?」
「早助は居ても居なくてもどっちでもかな、まあ知佳と行動をした方が良いけども。」
俺いてもなんも出来んからね。凄い情けないけど。
「とりま、林は街の偵察とかしつつ勇者補正を出来れば消化しといた方がいいね。残りの3人で依頼でもやっといて、お金を少しでも稼ぐって感じで。」
「そうだな、明日からも頑張るか。」
「はい!頑張ります!」
こんな感じで明日の予定も立てましたっと。
〈ではスマホのメモに明日の予定を入れておきます〉
あ、ありがたいですね、検索さん。
〈こういう仕事が一番役にたちますから。〉
検索さんとの会話にはもう慣れている自分はさっきの異世界慣れの話をバカに出来なくなったな。
〈まあ、望史様の脳内なので話はしやすいですよ。〉
やってる事は自分と自分の独り言みたいな感じだもんな。
「お、望史、もうご飯だぞ?」
「そうか、じゃあ部屋出るかー。」
そうして部屋を後にして食堂のような所へと向かい、ご飯を食べたのであった。
〈ちなみに女子2人はまだお昼寝してまして、ご飯食べるのが遅くなりました。望史様に怒られてましたね〉
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いつもの奴(本編との関係なし)
望「題名、雑になったよね?」
作「いやだって、ここは自分の息抜きのコーナーだし。」
麻「勝手にコーナー化してるし。こんなのいらないって言われるわよ?」
作「そう言われてもねー、結構書いてて楽しくていっぱい書きたくなるだよねー。」
望「だから、オチがなんかいきなり来たりするんだよな。」
麻「今回のオチは何があるのよ?」
作「え、望史と麻衣で作ってよー。」
望、麻『他人任せにするな!』
見ていただきありがとうございます!
お話の流れ的に第一章では題名のような話にはなりません。なのでほのぼの(?)とした異世界生活とでも思っていただければ、と思います。
ここまで続けて書いているので誤字などのご報告ありましたら宜しくお願いします。
次回は、勇者の事件その1です。いきなり厄介な事件、どうするのか?林視点ではなく麻衣視点でお送りします。
よろしくお願いします!