第21話『女神の授業-3』
「よっしゃ! 一番槍は俺が貰うっすよ!」
槍士だけに一番槍、槍士は味方を置いて行き単独で敵陣へと突っ込んでいく。
「むっ、お前たちは。敵の騎士と弓士か」
「…………」
二人の人物は話しかけても何も答えようとはしない。
「……黙っているようであれば、こちらから行くっすよ!」
槍士は一対二という不利な状況にも関わらず、怖気づかずに飛び掛かる。しかし、その重い突きを騎士の盾で防ぎ、弓士が矢を放ち、風を切って槍士の心臓を穿つ。
「ぐ、ぐはっ。む、無念……」
槍士は草むらの上に血を流して倒れる。
「な、槍士が死亡だと!」
俺たちは仲間が死ぬと自動的に脳内にメッセージが送られてくる。
「幸先の悪いスタートですね……」
「ふふっ、私は雑魚なんかに構ってる暇はないよ。さっさと大物だけを殺しちゃおっと」
暗殺者は王を暗殺しようと敵の街に乗り込む。
「あ、王発見! 殺しちゃうよ!」
家の屋根から道の真ん中に佇んでいる王に上から飛び掛かる。だが、突如飛んできた銃弾に頭を打ち抜かれる。
「…………え?」
「なっ、暗殺者も死亡、だと!?」
槍士に続いて数秒と経たず暗殺者も死亡とは。本当に幸先の悪いスタートなのかもしれない。
「どうしようか……」
「今は、信じて待つことしかできないでしょう……」
「私たちは生き残ることだけ考えていましょう」
「そうですね」
魔術師と杖士のペアだ。敵の街からは離れつつ、どちらかの決着がつくまで離れてじっとしていようという作戦だ。
「ん? あれは……敵の槍士?」
槍士は無言でこちらに走ってくる。不審がったまま何もしない魔術師に遠距離から槍を投げる。魔術師は魔法を唱える暇すらなく、槍にお腹を貫かれて死ぬ。
「がっ、はっ!」
槍士は魔術師に刺さった槍を抜いて、逃げようとする杖士に投げる。
「きゃあああ!」
背を見せて逃げる杖士を貫いて二人を殺した。
「魔術師と杖士も死亡! もう勝ち目がないぞ!」
「くっ、どうすれば……」
「なっ、銃士も死亡……。後は、俺たちだけじゃないのか?」
「な、なんだと……。くっ、王を全力で守るんだ!」
俺たちは街の正門から見える約五人ほどの敵を前に一歩も引かずに奮闘した。
「よし、五人、全員倒した……ぞ」
「けど、もう……動ける体力がないな……」
「お前だけでも逃げればよかったのに。家族が待ってるんだろ……」
「隣にいる友人を見捨てて逃げるようでは家族だって守れないさ」
倒れる騎士はこちらに親指を立ててグッジョブのサインを送る。本当にいいやつだ。そんな思いに俺も答えなくてはならないな。
「うおおおおおおおお!」
俺は草むらを走り抜け、こちら側と同じような造形をした敵の街へと走り出した。
「……さすがに考えすぎだ、マスター」
「いや、これだけ兵のことを考えられれば勝てそうな気がする!」
ボードに駒を設置してゲームを開始する。




