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偽りのワールドブレイカー  作者: 宵月渚
第三章『偽りの妹』
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第20話『女神の授業-2』

「なあ、アイフィ、勝つ方法とかなんかないのか?」


「対戦相手に聞くのもどうかと思うが……そうだな、兵たちの気持ちになって動かしてみるとか……か?」

「兵の気持ちになって……」


 クダリは盤面にある兵を見つめて、世界に入り込む。




「王よ、私がお守りします!」


 私は忠誠を誓い、剣を持って幾多の戦場を潜り抜けてきた剣士だ。此度は激戦になりそうだ。


「よお、剣士。もうすぐ戦だぜ。調子はどうよ?」


 チャラそうな男が現れる。


「なんだ、弓士か。戦場に赴くのだから調子はよくないに決まっているだろう?」


「そうか? 俺は戦場が楽しいぜ」


「ふっ、揚げ足を取られぬよう気をつけてくれよ、弓士」


「はっ、俺がそんな真似するわけないだろ」


 俺たちは拳をぶつけ合い、互いの健闘を祈る。


「あれ、剣士じゃないですか」


 社交的な男性、背中には大きな盾が見える。


「騎士か。どうしたんだ?」


「いえ、これから大戦が始まりますので、戦う前に無事を願った挨拶をと思い来たわけです」


「ああ、そういうことか。お互いがんばろうぜ。特に騎士は奥さんがいるんだろ。生きて帰れよ」


「ええ、もちろんですとも」


 俺たちはお互いに握手を交わす。


「よっす、剣士!」


 語尾の「っす」が特徴的な男が現れる。


「今度は槍士か。お前も挨拶か?」


「そうっす! 剣士、お互いがんばりましょっす!」


 相変わらずの変な語尾だがここはスルーしておこう。


「ああ、がんばろう!」


 俺たちは互いの武器をカンとぶつける。これが、槍士との挨拶だ。


「剣士さん。どうも、こんにちは」


 礼儀正しい男性は武器を何も持っていない。


「あ、魔術師か。戦闘前の挨拶だろ?」


「はい、もしや、結構来られていた感じですかね」


「ああ、これで四人目だな」


「なら、話は早いですね。お互い生きて帰りましょう」


「ああ!」


 魔術師は俺にどこの言葉かもわからない文字を空中に書く。これは、魔法というものらしい。


「さて、あと三人か。来る気配はなさそうだからこちらから行ってみるか」


 俺は最初に教会へ向かった。


「杖士、いるか?」


「はい、いますよ! 剣士さんですね? こんな時間に来るということは挨拶と言ったところでしょうか」


 このシスター服を着た女性が杖士だ。


「ああ、そんなところだ。一緒にがんばろうぜ」


「はい、がんばりましょう!」


 続いて俺は街を出た隣にある密林へ向かう。


「やっぱり、ここにいたか。銃士」


 木の枝に座って銃の手入れをする男が銃士だ。


「なんだ、剣士か。何の用だ?」


「相変わらず冷たいな。挨拶だよ、挨拶」


「挨拶か。そんなものは不要だ。結局生きていたらまた会って死んでいたら二度と会わない。それだけの話だ」


 とても冷たく素っ気ないやつではあるが、彼には彼なりの心配をしてくれているのだ。


「さて、次が最後だな」


 俺は裏路地へと向かう。


「やっほー、剣士!」


「……暗殺者か」


 女性は俺の背後に立つ。手に持ったナイフを俺の首に当てながらだが。そのナイフを鉄製のガンドレッドで弾き、背中の剣を流れるような速さで構える。


「勘は鈍っていないみたいだね」


「……まあな」


「じゃ、お互いがんばろー!」


「ああ、がんばろうぜ」


 一通り挨拶が終わったところで、大戦の始まる鐘の音が街に響く。急いで、俺は街の正門へ向かう。王を含めた九人が集まっており、作戦会議を開く。


「さて、作戦だが、どうする?」


 俺は八人の様子をうかがう。


「剣士は王の警護に当たってくれ。後は、私もつこう」


 見事な作戦の指揮を騎士がとる。


「王と剣士、私以外のみんなは攻め込んでいってくれ」


「「了解!」」


 残りのみんなは街を出て、一目散に走っていった。


「騎士、どうだ? 勝てると思うか?」


「五分五分と言ったところでしょう。相手の指揮官もなかなか上手いとお見受けした」


「そうだな……勝ってくれるといいが……」

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