第六話 7
仕事を終えて、一人でアパートの布団で寝入っていた。すると、祐樹の母から電話が掛かってきて、祐樹が帰って来ない、携帯に電話しても出ないし、事情を知らないか?と叫んでいた。時計を見ると、午前一時だった。僕は、祐樹の携帯に電話したり、メールをしてみたが、やっぱり連絡が取れなかった。居ても立っても居られないので、外に出てやみくもに祐樹を捜していたが、駅前の飲み屋街まで来た時、半グレ集団に絡まれてボコボコにされている男の姿が目に入った。大勢で一人を袋叩きにしているなんて卑怯だと思った僕は、気付けばそいつらに殴りかかっていた。最近通い始めたボクシングジムで鍛えているおかげか、面白いくらいに相手の顔にパンチがヒットし、敵はすぐに恐れをなして逃げて行った。倒れている男を抱き起こし「おい、大丈夫か?」と顔を見たら、なんと祐樹だった。
「祐樹! お前、何やってんだよっ! お袋さんが捜してたぞっ!」
「え? なんだ亮ちゃんか……」
「なんだじゃないっ!」
「亮ちゃんは相変わらず強いなぁ。僕は敵わないなぁ」
「なに言ってんだよっ! おい、しっかりしろっ!」
「きっと、一生敵わないんだろうな……」
祐樹はそう言うと、意識を失った。それから、少しの間、祐樹は入院することになった。肋骨と頬骨にヒビが入っていたからだった。




