表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トワイライト 第三版  作者: 早瀬 薫
48/133

第四話 10

 次の日の朝、出来上がったジュエリーを配達するため、僕は助手席に優菜を乗せ、車で取引先に向かおうとしていた。優菜の取引先も偶然近いということで、途中まで同乗することになった。工房の裏手にある車庫から車を出し、いざ出発しようとしたら、また角田圭吾から電話が掛かって来た。

「亮さん、どこにいるんですか? 俺、アジトでずっと待ってるんですけど」

「あ! ごめん、忘れてた! 仕事が済んだら必ず行くから」

「今朝の商店街の様子を見ましたか? 凄いことになっててびっくりしましたよ! 早くなんとかしたほうがいいんじゃないですか?」

「どうかしたのか?」

「悪口が書かれたビラが一面に貼られてるんです! 営業妨害でしょ!」

 角田にそう言われて、僕は、アーケードに面している店の表を慌てて見に行った。すると、カフェのウィンドウ一面に『ゴキブリ入りのコーヒーを出すだなんて大した度胸だな!』とか『ケーキにカビが生えてたぞ!』とか悪口の書かれたビラが貼られていた。商店街の他の店も同様だった。僕に着いて来た優菜もびっくりしてビラを見つめている。商店街を見回すと、アーケードの向こうの方でビラを貼っている黒づくめの男二人を見付けた。僕は「おらああああああ」と叫びながら、そいつらに向かって走り、飛び蹴りして倒した。恐れをなした男二人は「わああああああ」と叫びながら走って逃げて行った。

 僕と優菜は、大急ぎでビラを剥がし終わると、優菜を急かして車に乗り、配達に向かった。イライラしていた。嫌がらせの主犯格は、きっとあの愛川哲也だろうと思っていた。早く何とかしなければ、とんでもないことが起こるような気がしていた。

「亮ちゃん、どうしよう……、大丈夫かな……」

「心配するな、俺がなんとかするから」

「なんとかするって言ったって……」

「とにかく、商店街のみんなと対策を考えるから」

「うん、そのほうがいいね……」

 取引先に向かう途中、前方を走る白いワンボックスカーが目に入った。僕は無意識にその白いワンボックスカーの後を追い始めていた。すると、助手席の優菜が「亮ちゃん、何をしてるの!」と僕に声を掛けた。僕は返答に困り、ただ「えっ?」と言葉を発した。

「亮ちゃん、あの白いワンボックスカーは、亮ちゃんが捜してるワンボックスカーじゃないと思う」

「……」

「亮ちゃんが捜してるのは、本当は白いワンボックスカーじゃなくて、別の物だと私は知ってる」

 優菜はそう言った。しかし、優菜にそう言われて、僕の頭の中は余計に混乱していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ