表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トワイライト 第三版  作者: 早瀬 薫
29/133

第三話 3

 そんな話をしているうちに工房に辿り着いてしまい、どうしても祐樹に話の続きを訊きたかった僕は、親父さんに許可を取って十五分だけ昼休みを延長してもらった。そして、カフェのカウンターを挟んで祐樹と睨み合っていた。のんちゃんは、カウンターに座って絵本を眺め、大はカフェの隅っこに置いてあるゆりかごの中ですやすや寝ていた。そして僕は、光を起こさないように声を殺しながら、「アイツは一体誰なんだよ?」と祐樹を問いただしていた。


「多分、亮ちゃんが一番嫌いな男」

 「そうか……」と言って考えていたが、だんだん腹が立って来て「そんなまどろっこしい言い方はいいから、早く言えよ!」と癇癪を起こした。すると、ゆりかごの中の光がふがふが言いだし、僕は慌てて小声で「こら、早く教えろ!」と祐樹を睨み付けて囁いた。

「地上げ屋だよ」

「地上げ屋?」

「古臭い商店街を立ち退かせて、高層マンション群をぶっ建てようとしてるんだよ」

「えーっ!」

「商業施設もあるみたいだけど、借り賃はただじゃないしね。幾ら立退料を貰ったって、割に合わないんだよ。だから、商店街のみんなは反対してるんだけど、嫌がらせしてくるわけ。亮ちゃんが記憶を失う前、アイツが強面の軍団を引き連れてやって来て、商店街を練り歩いてたんだよ。亮ちゃんは、そいつらを追いかけてぶっ叩いた挙句、アイツの首を絞めて騒動を起こしてるんだよ。今日、亮ちゃんがアイツに見つからなくて本当に良かったよ」

「そ、そうなのか……」

「うん。まぁ、亮ちゃんには大人しくしてて欲しいから、忘れてくれるのが一番いいけど」

「はぁ? そんなことを言われて忘れるバカがどこにいるんだ?」

 僕がそう言うと、祐樹は人一倍大きなため息を吐き、「とにかく、もう喧嘩はごめんだからね! のんちゃんや光が巻き込まれたらどうするんだよ?」と言ったので、流石の僕も「そうだな……」としか言えなかった。しかし、その後、仕事の間中、僕は悶々としていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ