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AR  作者: 青柳藜
chapter Ten Anchor.
85/147

<Ⅸ>

 やっと銃声がやんだ。

 あたりの床はすべて、赤黒い液体で覆われていて、そしてそれを覆い隠すほどの量の肉塊と金属塊とが、そこら中にぶちまけられていた。

 そして、その中にもまだ、まともに動くロボットは残っていた。

 そしてこっちは、動けるものが私だけ。

 ……もう、どうなるのかは分かりきっていた。

 私はさっきから感覚がない左足を抑える手を、ゆっくりと自分の胸の前にもっていった。

「お待たせ、結衣、お母さん、お父さん……」

 弟の名前を、祖父の名前を、祖母の名前を、私が知っている名前のすべてを、読み上げていく。

「ごめんね、アネモネちゃん。ごめん、蛍。私、ここまで頑張ったから……」

 知っている名前をすべて読み上げると、私は自分の頬を暖かい液体が伝っていることに気が付いた。

 ゆっくりと、死体を乗り越えて数台のロボットが近づいてくるのが、音でわかる。

 私はぎゅっと目をつぶると、両手を胸の前で強く握った。

 数台のロボットが、私を囲む。

 そして、それらはゆっくりと、彼らの腕に持つ名前も知らない大きな銃を、私の体へ向けた。

 次の瞬間が来るのが怖くて、さらに両手に力を籠める。

 そして、ぱんっと、乾いた音が三つ、同時に響いた。

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