<Ⅶ>
それは、短距離の練習に似ていた。
200mダッシュして、50m軽く走って。
ただ、今回はそれとは違うところが二つある。
一つは、残り時間を正確に数えること。
そしてもう一つは、ダッシュもダメ、小走りもダメ、ずっと一緒のスピードで走らなければいけないということだ。
特に、周りの護衛の人が追い付けないような速度で走ってはいけない。防弾チョッキにバズーカ砲やライフルを抱えて走るのは、相当つらいはずだ。
小刻みに、息を吸っては吐く。
残り、一分五十秒。
ところどころ壁に貼り付けられている表示板で、道を確認しながら、進んでいく。
階段を降りると、警備ロボットがこちらに向かって銃をつきつけてくる。
それを、護衛の人が、ロボットが撃つ前に、手に持ったライフルでカメラを打ち抜く。
個々の警備ロボットはカメラのすぐ後ろにCPUがあるため、打ち抜けばそれでロボットは止まる。
動かなくなったロボットを横目に、私たちはどんどん階段を下っていく。
目の前には、「地下七階 核融合方式発電室」と書かれたプレートが貼り付けてあった。
思いっきり、ドアを開ける。
「嬢ちゃん、危ない!」
突然、後ろから声がかかる。
「――え?」
私が振り向こうとした瞬間、私を体当たりで突き飛ばした名も知らない男の人が、左右から出てきた大量の警備ロボットの銃弾の雨を受けた。




