<Ⅸ>
僕らは新幹線を使って彼女をさらった奴らを追いかけた。
代金は、全部上城蛍が出してくれた。
なお、銃は部屋を出る前にポケットの中へしまってある。
結構大きめの銃だったのだが、上城蛍が何かをすると折りたたんだハンカチに赤いボタンが付いた様な、どう見ても銃には見えないものが出来上がった。
そのボタンを押したら、銃の形に戻るらしいのだが、そこら辺の仕組みはよくわからない。
新幹線に乗っていると、僕の気持ちはだんだん落ち着いてきた。
「……なぁ、さっきどうやって彼女の場所を見つけたんだ?」
「写真照合」
僕がそう言うと、上城蛍はそう答えた。
「は?」
「写真照合って言って、彼女の顔写真を世界中の監視カメラの画像と照合させた。いまどきの監視カメラは遠くの方のアリを観察できるぐらいまで進歩してるから、車の鏡に顔が映ってる程度でも照合可能。まぁ、監視カメラの画像手に入れるために結構でかい所にハッキングしたからなぁ…もうあの店は使えん。帰ったら荷物くくんの手伝えよ?」
「お、おう…」
ダメだ。何を言ってるのかさっぱり分からない。
僕は手に持った「レールガン」とかいうものを指で撫でた。
曰く、こいつは上城蛍のお手製らしいが、どこからどう見ても、立派な売り物だ。
「あ、そうだ」
上城蛍は思い出したようにこう言った。
「そいつ、一回しか撃てないから気を付けろよ?」
「あぁ、分かった」
新幹線の中に、停車の放送がかかる。
僕は改めて、銃の表面を指で撫でた。




