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AR  作者: 青柳藜
chapter Nine Encounters of boys.
72/147

<Ⅷ>

 上城は引き出しを開けると、中からデジタルカメラを取り出した。

「…こんな時に――」

「助けてほしいんなら黙って見てろ」

 何遊んでんだよ、と続けようとしたところで、一瞬、上城蛍が鋭く睨んできたような気がして、僕はたじろいだ。

 蛍はため息をつくと、デジカメからSDカードを引っこ抜き、PCに接続した。

 素早くウィンドウがたち上がり、そのウィンドウを上城蛍は器用に操作していく。

 彼が何かをいろいろと操作するうちに、新しいウィンドウがたちあがる。

 それは、彼女の写真ファイルだった。

 画面いっぱいに、彼女の全身像が映し出される。

「……捜す人物は、こいつでいいんだよな?」

 上城蛍の言葉に、僕は無言でうなずく。

 すると彼は、背もたれにのしかかり、天井を見つめつつ、こう呟いた。

「…人のために使うの、これが初めてだ」

 言葉の意味は分からなかったが、でも、彼がここまで大人びたように思える理由が垣間見えた気がした。

 蛍は再び画面に向き合うと、先ほどとは比べ物にならない速度で、PCを操作しだした。

 キーボードを叩く音が、連続で聞こえる。

 瞬くままにウィンドウが開いたり、閉じたりしていく様は、何も知らない僕にもすごいことだということは分かった。

「見つけた」

 十分後、上城蛍はそう言った。

「見つけたって、彼女をか? どこだ?」

「ここだ」

 そう言って蛍が指差したのは、ここから約200km離れた場所だった。

「ここには売春街がある。恐らく彼女をさらった奴らはここへ売り飛ばす気なんだろう」

 僕は、自分の顔が青ざめていくのが解った。

 少しずつ体が震え始め、頭の中が真っ白になっていくような気がした。

「こいつを持て」

 急に上城蛍が僕に声をかけたかと思うと、何か黒い塊を投げてきた。

 銃だった。

「レールガンだ。合法銃だから、別に見られても問題ない。でも、殺傷能力は普通の銃とは比べ物にならないから、最悪まで撃つなよ?」

 僕は、手にずっしりとしたそれの重さを感じつつ、上城蛍の言葉を聞いた。

「そんじゃ、行くか」

 上城蛍は自分も同じものを持ってそう言うと、立ち上がって部屋のドアを開けた。

「覚悟しとけよ?」

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