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AR  作者: 青柳藜
chapter Nine Encounters of boys.
71/147

<Ⅶ>

 目を覚ますと、僕は小さなベッドの上で横になっていた。

 近くでは、上城蛍がコンピューターをいじっていた。

「目が覚めたか? 安心しろ。店員になら札束を握らせといたから、多分このことは内密にすむだろう」

 彼は、コンピューターから目を背けることなく、そう言った。

 僕はベッドから飛び起きると、上城蛍の肩をつかんでこちらへ振り向かせた。

 でも彼は器用な事に、キーボードをたたくことだけはやめなかった。

「頼む。助けてくれ。彼女が…いなくなった」

 その言葉を聞いた瞬間、彼の手がとまった。

 今まで鳴り響いていたキーボードのタイプ音が消え、狭い部屋を静寂が包みこんだ。

 数秒たってから、上城は口を開いた。

「……要するに、あいつを捜せばいいんだな?」

 僕は機微を縦に振った。

 話が早くて助かる。

「………………………」

 上城は、浮かない顔をしていた。

「おまえなら、何とかできるんじゃないのか? 頼む、おまえしか頼れる人がいないんだ…!」

 僕は上城の小さい肩に顔を沈めた。

 頬を熱い液体が伝わるのが解る。

「……なんでも」

「…はぁ?」

 もごもごとしゃべられ、上手く聞き取れない。

「……何でも一つだけ、いうことを聞くというなら、協力する」

 …なんだ。こんな時にそんな駆け引きすんなよ。解答は一つしかないじゃねぇか。

「分かったよ。だから早く、頼む!」

 僕がそう言うと、上城蛍は、小さく頷いた。


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