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<Ⅴ>
その日、真夜中に僕が橋の下に戻ると、彼女の姿が無かった。
トイレ、といっても一番近い公園の公衆便所なのだが、まぁ、そこにでも行っているのだろうと思ってそこで待っていたのだが、彼女は一時間たっても戻ってこなかった。
どっかで事故に遭っているのではと思い、トイレまでの道のりをくまなく捜すも、彼女は見つからなかった。
そうしているうちに、朝日が登って来て、僕は本格的に焦り始めた。
心当たりのある場所は全て探したが、彼女の姿はどこにもなかったのだ。
僕は道端にしゃがみ込み、考えた。
どうやって彼女を捜す? 警察にでも捜索願を出すか? …そんなことしても、法律上はいないことになっている僕らを、あいつらが真面目に捜すとは到底思えないし、まずその前に僕は窃盗犯だ。その場で豚箱の行きにされてしまうだろう。
そうすると、もうほかに僕が頼れるやつは、一人しかいなかった。
僕は立ち上がると、あのネットカフェへ全速力で走った。




