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AR  作者: 青柳藜
chapter Eight Answer.
51/147

<Ⅰ>

ここから新しい章です。

「そんじゃ、最終確認だ」

 作戦決行が二日後に迫った日、蛍はみんなに向けてこう言った。

「まず、俺がアネモネの入ったメモリーディスクを持って、そんで明香がこのレーザーカッター持って、MIDORIの研究所から侵入する」

 蛍はそう言って、右に置いてあるレーザーカッターを指差す。

 どう見たって、巨大な鉄の箱だ。

 あれをか弱い女の子に背負わせるとか、男としては最低だ。

 蛍曰く、その鉄の箱を使う仕事の方が安全らしいから、別に文句を言いたいわけではないが。

 それに、この仕事に関りたいと言いだしたのは自分だ。だから、頼まれた仕事はちゃんとする。

「そんで、警察の機動隊とあと自衛隊の保護を受けつつ建物内を歩く。ほんで、途中で俺と明香が分離、俺は制御室の方へ、そんで明香は核融合炉の方へ行く。で、最後に俺がメモリーを突っ込んで、MIDORIの防御システムをアネモネが破壊したら、明香がコードをレ―ザ―カッターでぶったぎる。ほんで、ソフトができたら、アネモネをMIDORIから出す。あとは、焼くなり煮るなり、警察の好きにする。そういう感じだ」

 蛍は一息にそういうと、何か質問は? と聞いてきた。

「どういう方法で前に進むわけ? 相手はAI制御のロボットだって持ってるんだよ?」

 アヤメちゃんがそういう。

 確かに、それで犠牲者が出てしまっては、元も子もない。

 この作戦は、犠牲者ゼロが目標なのだ。

「方法か? それなら、こいつに一任している」

 蛍はそう言って、鈴木の方を指差した。

 指差された鈴木は、ゆっくりと立ち上がると、こう言い放った。

「電磁波で相手のマイコンを破壊しつつ進む。所詮相手はロボットだ。制御形態がやられれば、後に残るのはただの箱だ。」

「電磁波は、人間にも被害が及ぶし、メモリーディスクが死んじゃうんじゃないんですか…?」

 そう発言したのは、タンポポくんだった。

 そういえば、会ってからこの子が口を開くのを見たことがなかった事に、今更ながら気が付いた。

「その点は問題ない。電磁波の向きを制御できるようにしているからな。人間の方に向けなければ、それで終わりだ」

 鈴木はそう言って不敵に笑った。

 それなら、確かに問題はなさそうだ。私達はもう手を挙げることはなかった。

「…ほんじゃ、作戦開始は明後日の10:00だ。今日は夜遅いから、もう寝よう」

 解散、と言って、蛍は部屋から出ていった。

 他の人たちも、わらわらと部屋を出ていく。

「……アネモネちゃん」

 部屋から出ていこうとしていたアネモネちゃんを、私は呼びとめた。

「……なんですか?」

 彼女の顔には、うっすらと不安の表情が出ていた。

 だから、私はそのことを指摘しないように、決行前最後のお願いをした。

「教えてほしいことがあるの」

 


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