<Ⅳ>
私は、薄暗い部屋の中、コンピューターの前で、河内が逝くのを眺めていた。
彼がガラス片で頸動脈を切ったせいで、彼の死体の周りは真っ赤に染まっていた。
私は席から立ち上がり、このコンピューターの中枢を置いてある部屋へと向かった。
廊下へ出て、右隣の部屋へ向かう。
ドアを開けると、ちょうど培養液が少なくなっていた。
コンピューターの中枢。
それは、人間の脳だ。
人間の脳は、本来、超が付くほどのハイスペックコンピューターだ。
だが、100%使うと、その時点で人間は「餓死」してしまう。
そこで、人間の脳に膨大なエネルギーを与え続けることで、100%回すことに成功した。
コストは、明らかに低い。
確かこいつは、もともとはストリートチルドレンだったはずだ。
培養液を加えつつ、私はふと疑問に思った。
私がやっていることは、あいつと何が違ったのだろうか、と。
……あぁ。何も違わない。違わないが、違う。
今なら、河内の心情が手に取るようにわかる。
しかし、決定的に違うのは、ここからだ。
培養液を加え終えると、私は再び制御室へ向かう。
そして、私はこう言い放った。
「仕上げだ。この世界を、滅ぼせ」
これで、この章は終わりです。




