<Ⅰ>
人が変わります。
「あぁ。全部君の言うとおりだ、リセクティエスタ。全部僕が間違っていた」
僕は、彼の言うことの全てを肯定した。
彼の言葉には、嘘など微塵も無かった。
ただただ、事実を淡々と告げるリセクティエスタが、僕には悲しい存在に見えた。
「それで、君は僕に何を望むんだい? 僕に絶望してほしいか? それとも、僕の死か?」
「……何も、いらない」
リセクティエスタが僕の質問にそう答えたことに、僕は笑ってしまった。
「リセクティエスタ、君は優しいね」
「馬鹿を言うな。おまえには、死んでも償えないほどの罪がある。それを、自覚させたいのだ」
さすがだ。僕はそう思った。
僕にとって、一番つらいこと、それは死ぬよりも生き続けることだ。
「じゃぁ、これならどうかな?」
そう言って、僕は近くにあったガラス片を手に取った。
「……やめろ!!」
リセクティエスタが叫ぶ。
「僕は卑怯者だからね、先にあっちで待ってるよ」
僕はリセクティエスタの制止も聞かずに、自分の首をガラス片で切り裂いた。
軍用ドローンから、何か聞こえるが、それがもう僕には何かはわからなかった。
ただ、僕は薄れゆく意識の中、五年前の終末を思い出していた。




