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AR  作者: 青柳藜
chapter Six Negotiation.
43/147

<Ⅴ>

人が変わります。

「…………」

 私達は、川辺さんに案内された大きな部屋の中で、寝袋の中に入っていた。

 やっぱり、警察の人は私の事をあまりいいようには思っていないようで、寝袋も私の分だけ無かった。

 蛍が、俺の寝袋に入れ、と言ってきたんだけど、そうすると、蛍の寝袋が無くなってしまう。

 結局は、明香さんの寝袋に一緒に入れてもらうことにしたんだけど…。

「あの、明香さん? きついなら無理しなくてもいいですよ?」

「いいの! アネモネちゃん可愛いから」

 さっきから、思いっきり抱きしめられている。

 きついのは私なんだけど、さすがにそれを言う訳にもいけないし…。

 アヤメさんは嫌がるし、カエデさんは胸が大きいから私が入る余地ないし…。

 それに…

「……いい加減に舌打ちするのやめたらどうですか? 蛍」

 さっきから、ずっと蛍は殺気を放っている。

「……おまえ、自分を散々物扱いしたやつのこと、ゆるせんの?」

 ……ここまで怖い蛍は初めてだ。

「……でも、あのゴミの言うことも一理ありますよ? 私、生命体ではありませんし」

「こら、アネモネちゃん。どんなに嫌いな人でも、ゴミって言ってはいけません」

 カエデさんに怒られた。

「まぁ、冷静に考えてみたらどうです? 蛍さん」

 突如、スギさんが口を開いた。

「起きてるみんなに聞くんだけど、人形に向かって話しかけてる三十後半の職業不詳の男を想像して? どう思う?」

「気持ち悪いですね…」

 明香さんが即答した。

「でしょ?」

 スギさんがそう返す。

「結局は、そういうことなんだよ。何も知らない人からすれば、人間に似たロボットを手放したくはないと思ってる子供さ。かといって、それがいいのかどうかはまた別だけどね」

 続いたスギさんの言葉に、みんなは黙り込んだ。

「……アネモネは」

 蛍が口を開く。

「アネモネは、どうなんだ?」

 蛍は、真剣な目つきでそう言ってきた。

 どう、か…。

「本心を話してもいいですか? 蛍」

 蛍は、無言でうなずいた。

 そして、私は大きく息を吸って、こう言った。

「私―――」

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