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AR  作者: 青柳藜
chapter Six Negotiation.
41/147

<Ⅲ>

「おまえ、自分が何を言っているのか分かっているのか!!?」

 鈴木警視長の言葉に、蛍は大声で怒鳴りつけた。

 ここまでの大声を、私は今まで聞いたことが無かった。

 それぐらい、蛍の怒りは大きかった。

「分かっている。ロボット一機を使って、ハッキングを仕掛けるだけだ。人は死なずに済むし、これ以上のプランはないだろう」

 鈴木警視長は、淡々とそう告げる。

 その言葉の意味は、さすがに不出来極まる私でさえ、よくわかった。

 アネモネちゃんを殺すことで、MIDORIを停止させようというのだ。

 具体的な方法は分からないが、でも、酷いことを言っているのは確かだ。

「……さすがに、それは無いんじゃないんですか?」

 気が付くと、私は鈴木警視長にそう言っていた。

「……どういう意味だね? 確か…」

「瀬戸内明香です」

 こんな人には、名前を呼ばれるのさえ厭だ。

「あ、そうだそうだ。瀬戸内君だったね。君は今、それは無いんじゃないか、と言ったんだが、それはどういう意味かな?」

 鈴木警視長…いや、鈴木はそう言って、私の近くへ歩み寄って来た。

「アネモネちゃんは、人間と変わりはありません」

 私がそう言うと、室内の視線が一斉に私へむけられる。

 ……。

「それで?」

「え?」

 それで、とは、どういう意味だろうか?

「それで、どうしたというのかね?」

 鈴木は淡々とそう告げる。

「君たちがそう思っていようと、結局は彼女はロボット、電気が無ければ動かないし、感情があるように見せかけるだけの、作りもの、ただの人形にしか過ぎない」

 ……。

「それが解っていたら、私の判断はあっていると思うのだけどね?」

 鈴木はそういうと、蛍の方へ向き直った。

「今は感情的になっているから、わからんだろうから、明日、再度君に尋ねよう。ウイルス、アネモネを使い、MIDORIを止めるか、どうか」

 鈴木はそう言い残し、部屋の外へと出て行った。

 後には、私達「しょくぶつえん」と、数名の警官が残った。

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