<Ⅵ>
現在に戻ります。
「……………………」
話を聞き終えて、私は何も言えなかった。
「五年前の悲劇」
それは、何処までも深く、悲しい物語だった。
「でも、それは公にはならなかったの。河内さんがいろいろといいように持っていってね」
「そう…なんだ……………」
こんな悲しいことが…
「……そう言えば、すずきっていう人は、その悲劇を繰り返すかもって言ってたんだよね?」
「………そうよ」
女の人が答える。
「そ、それじゃぁ、その、悲劇は繰り返されたの?」
「……………………」
私の質問に、女の人は黙ったままだ。
とその時。
「おねえちゃーん!! どこー!?」
遠くの方から、妹の黒の声が聞こえてきた。
「あ、私、行かなきゃ」
「待って!!」
私が立ち上がって黒の方に行こうとすると、不意に女の人が呼び止めた。
「あ、お話の続きはまたねってことで! 今度は黒の方もつれてくるから!」
「そ、そのことなんだけど…」
女の人は、ひどく困った顔をする。
「なに? どうかしたの?」
「えっとね………ここのことは、私たち二人だけの、秘密にしてくれないかな?」
女の人は、泣きそうな声でそう言ってくる。
「…………………うん! わかった!!」
理由はわからないけど、秘密にしてほしいのなら、そうしよう。
「じゃあ、また明日来るね!」
私は、そう言って黒の方へと走って行った。
「おねえちゃん!!」
しばらく進むと、黒がふくれっ面で立っていた。
「あ、黒」
「あ、じゃないよ! あ、じゃ!」
……………………。
「黒…もしかして怒ってる?」
「もしかしてじゃないよ! かくれんぼっていってたからずっとまってたのにぜんぜんこないんだもん! おこってとうぜんだよ!」
あ、すっごい怒ってる…
「ごめんね? 何でも言う事聞くから、許して?」
私がそういうと、黒は満面の笑みを浮かべ、なんでもね?と言って笑った。
それから、私たちは、つたに飾られた教会の中で、夜を過ごした。
とりあえず、ここでいったん私的な事情により投稿を中止します。
ストックが溜まったら再開しますので。お待ちください。
あと、この章はこれにて。




