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AR  作者: 青柳藜
chapter Five Tragedy five years ago.
37/147

<Ⅴ>

 AIが人間を凌駕するということは、僕が子供のころからずっと言われ続けていた。

 僕は、その話を聞くたびに、ただの幻想話にすぎないことで何を騒いでいるのだと、周りを見続けていた。

 コンピューターなんて、結局は統計データをもとに計算を繰り返すだけの、道具ではないか。

 思考など一切していない。

 僕はコンピューターを、あの日までずっと見下していた。

 ある日、AIが今まで分かっていなかった数学の定理を証明したことは、世間的にはそこまで大きく報道されなかったが、一部の、要するに中学生の時の僕の様な人種にとっては、AIが人間を超えたと思わせた瞬間だった。

 しかし、そのAIが出した答えは、ある穴があり、成り立たないことが後々発見された。――AIによって。

 僕はこの一連の出来事を、まるで人間を突破した、まるで神のようだと思い、見続けていた。

 そして、僕も、このようなAIを作り、人間の限界を突破する、そのことを、目標とするようになっていた。


 そして月日が流れ、僕は研究所の所長にまでなっていた。

 そして、人間を凌駕するAIを作り上げた。

 翆の病を治せ。そう僕に命令された人工超知能は、



 シュミレーションを駆使し、翆の病を治す、いや、正確には存在させ続ける方法を見つけた。




 それは、意識をデータとしてコンピュータ上に転送する、というものだった。

 当然、僕はそれを拒否した。それは翆の病気を治したことにはなっていない、僕が言ったのは薬を作れ、だと言って。

 そして、AIはまたほかの方法を模索しようとしたが、タイムリミットまでの時間は、残り二週間。

 その間に、翆を治す他の方法を見つけることは、不可能、とAIは結論付け、


 そして。


 「絶対に治せ」という命令と「他の方法を模索しろ」という命令、さらに「他の方法を見つけ出す事は時間的に不可能」という計算結果から。


 AIはクラッシュし、プログラムは壊れ。


 そして、暴走した。


 人間を超えるAIが、人間へ牙をむいた瞬間だった。

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