<Ⅲ>
洗い物だけでもやらせてくれとカエデさんに頼みこみ、カエデさんの手伝い的な感じでお皿と鍋を洗った。
一通り洗い物が終わり、食器棚にお皿を片づけていると、広間にスギさんが入ってきた。……一人で。
「スギ、やっぱり眠り姫は起きなかったの?」
カエデさんがスギさんに言う。
眠り姫……?
「うん。いやぁ~、あいつを起こせるのは蛍だけだね。やっぱり」
ソファーに座りつつ、スギさんがカエデさんに愚痴をこぼす。
「……まぁ、いいんじゃない? とりあえずこの三人だけで話を始めましょう」
「ああ。そうだな」
話……? そういえば、さっき蛍がいろいろ聞きたいことがあるって言ってたような……
「それじゃ、明香ちゃん。先にソファーに座っといて? すぐ行くから」
「あ、はい。分かりました」
カエデさんに言われた通り、私はソファーへと向かう。
スギさんが座るのと真向かいのソファーに、私は腰かけた。
「あ、別に話って言っても、君をどうこうするっていうことじゃぁないから。安心して?」
「あ、はい。分かりました……」
いくら、安心しろだの落ち着けだの言われても、すごく緊張する。
何を聞かれるのかとおどおどしている私に、スギさんは口を開いた。
「きみ、『しょくぶつえん』に入らない?」




