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<Ⅵ>
MIDORiの中のアネモネの話です。
「そうそう、次に、この紐を引っ張ってきて、ここにつなげて?」
何も考えずに、私はただ少女の指示に従っていた。
少女の指示で仕上がっていくそれは、不気味な形をした人形のようで、本来の私だったら相当気持ち悪がっていたと思う。
近くのステレオの残骸から、ブザー音が流れてきた。
どうやら、また邪魔する奴が現れたらしい。
私は立ち上がると、がれきの中に埋もれていたライフルを掘り出し、それを、私の邪魔をしてくる人の形をした的に容赦なく撃ち込んだ。
私の中で、悲鳴を上げたくなるような気持ちが生まれたような気がしたが、気にすることなく、また自分の作業を再開した。
おかしいとは、自分でも思っていた。
なんで、私はこんなにも人を殺し続け、そしてこの得体のしれない少女の言うことを聞いているのだろうと、ただただそう思った。そう思っただけで、別にやめようなどの意思は生まれてこなかった
。そもそも、当時の私には意思なんてものはなく、この少女の操り人形のような存在でしかなかった。
叫びたくなるほど嫌なことのはずなのに、それがやめられなかった。やめることを、システムが許さなかった。
私はそんな矛盾を抱えたまま、ひたすらに少女の言うとおりに動き続けるしかなかった。




