<Ⅳ>
13-11の続きだと思ってください。(MIDORI内の話です)
「でも、あと一つだけ、あなたが上城蛍を助ける方法は残っています」
私は現実から目を背けるために、喉の被膜が破れるぐらいひたすらに叫び続けていたけれど、そのうちに声がかれ、何も言えなくなった。それを見計らったかのように、目の前に立っていた少女が口を開いた。
「……それは、いったい?」
声を絞り出すようにして、少女に尋ねる。
少女は、口元に笑みを浮かべてから、地面についていた私の右手を取り、こう言った。
「時間を巻き戻せばいいのです。私はそのための方法を知っています。私の言う通りにしなさい。そうすれば、きっとあなたは救われるでしょう」
しゃべり方がいびつであることは分かったが、なぜか、それを怪しむことはなかった。
「では、まずは立ってください。こんなところでは、何もできません」
少女はそう言うと、私の右手を引っ張った。それにつられて、私もふらつきながら立ち上がる。
「全て、私の言う通りにしなさい」
少女のその言葉は、私を縛り付ける呪文のように私の耳から離れなかった。それどころか、少女の意思に従って、私が動かされているかのようにも感じた。けれど、別にそれを不思議に思うことはなかった。
そして、そのころの私は、本当は生きている蛍を殺そうとしていたことや、人類を破滅させるという少女――MIDORIの策にはまっていることに、まったくもって気付いていなかった。




