<Ⅰ>
私はとにかくがむしゃらに走っていると、知らぬ間に先ほど頭を抱えてうねっていた公園へ戻っていた。
訳が分からなかった。
あれは、明らかに女の子がロボットに食われていたようにしか思えなかったが、でも、現実的に考えて、そんなことが起きるはずがなかった。
でも、白いロボットの口から垂れる血や、真っ赤に染まった女の子の腕や顔が、いやになるほど鮮明に思い出されていた。
急に私は怖くなり、そこから近い駅へ走りこんだ。
電車を待っている時間も鬱陶しいほどに長く感じられ、そして電車が来たかと思うと、私はすぐにそれに飛び乗った。
駅に着き、扉が開くと同時に電車から飛び出し、家へ全速力で帰った。
「うわっ」
玄関のドアを開けると、柱の陰に隠れようとしていた桜ちゃんが驚いてこっちを見ていた。
思わず、私は桜ちゃんを抱きしめた。
安心が、胸の中がいっぱいに広がっていく。思わず涙が出そうになったが、必死にこらえた。
「……しおんおねえちゃん? どうしたの?」
桜ちゃんが驚いて聞いてきたけれど、今、口を開いたら、涙が出てきそうだったので、さらに強く抱きしめることで、無理矢理ごまかした。
「あら、おかえりなさ……紫苑ちゃん!?」
階段を降りると、カエデさんがいつもみたいに優しく迎えてくれたけれど、どうやら私は涙をこらえきれていなかったらしく、カエデさんを驚かせてしまった。
どうしたの? 何かあったのと聞いてくるカエデさんがすごく優しくて、私はこらえきれなくなり、思わず声を上げて泣き出してしまった。




