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<Ⅲ>
一旦、「現在」へと戻ります。
「……それで、世界がこうなったの?」
私は水槽の中の女の人に尋ねた。
「いいえ、その時点では、世界はまだここまでの悲劇を迎えてはいなかったわ。この話は、この悲劇の始まりでしかなかったからね」
「ふーん。…で、続きは?」
「…一度確認するけど、ほんとに知りたいの?」
唐突にそんなことを聞かれ、一瞬戸惑ってしまう。
「え? もちろん、知りたいよ?」
「そう…」
女の人は、何かを戸惑っているような感じの声を発した後、また話し始めた。
「そんな混乱した世界の中、上城蛍は、彼だけは普通にいつも通りの生活を送っていたの。」
この後、また過去へと戻ります。




