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AR  作者: 青柳藜
capter Thirteen A small accident.
112/147

<Ⅵ>

 お母さんの病室を出たあと、私はちょっと離れたところにある小さな公園へ向かった。

 そこは、いつものように、誰もが忘れてしまっていると思え得るほどに静かで、砂場はいつ来ても平坦だし、滑り台やブランコには砂がたまっていた。

 私はさびでぎしぎしと音が鳴るブランコの砂を払い、その上へ腰かけた。

 お母さんが言っていたことが本当なら、私はいままでずっと、何も悪くない人のことを嫌っていたということになる。それは、その相手にも申し分けないし、それに巻き込んでしまったいろいろな人にも、大変な迷惑をかけていたことになる。

 私は、お父さんのことをもっと知ろうと思った。お父さんのことをもっと知って、そして、謝りたかった。別に、お父さんは怒っていないと思う。私たちにこう思われることは分かっていたようだったから。けど、自分が、許せなかった。

 私はブランコから立ち上がり、家へ小走りに駆けて行った。早く、お父さんのことが知りたかった。

 玄関のドアを開けると、そこには物陰に隠れようとしていた桜ちゃんがいた。

「あ、しおんおねえちゃんにみつかっちゃった〜」

 桜ちゃんが残念そうな顔をする。

「ほら、み〜つけた!」

 私がそう言いながら桜ちゃんを抱きしめると、桜ちゃんはきゃ〜、とかわいい声を上げて、楽しそうに抱き着いてきた。

「あら、おかえりなさい。今日は遅かったけど、どうしたの?」

 そのまま桜ちゃんを抱えて地下へ降りると、カエデさんがいつものようにそう言った。

「カエデさん」

 私が真面目な感じでそう言うと、カエデさんはやさしく微笑み、どうしたの、と、言ってきた。

「晩御飯食べたら、ちょっと知りたいことがあるんですけど、いいですか? スギさんも一緒に」

 私がそう言うと、カエデさんはやさしく、いいわよ、とだけ言った。何が知りたいのかは、聞かなかった。

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