<Ⅵ>
その日の夜、私は悪夢を見た。
あの時、私を助けるという任務のためだけに死んでいった名も知らない兵隊たちが、夢の中では私をロボットから降ってくる銃弾の盾として使っていた。
私の腕に、腹に、足に、次々と風穴があく。
痛みで失神しそうになる私を、兵隊たちはかわいそうな目で見つめた。
全身に風穴があけられ、もう頭ぐらいしかまともに残っていない状態にまでなって、とうとう兵隊たちは私の額に向けて銃口を向ける。
そして、何かを私に言おうとしたところで、目が覚めた。
恐怖で飛び起き、自分の胸に手を当てる。
心臓の振動が手にしっかりと伝わってきた。
しばらくそのままの姿勢で、自分の体が落ち着くのを待つ。
ここ最近、こんな感じの悪夢を見るようになった。
今回なんかはあの時の私が殺されたが、ひどい時にはしょくぶつえんのみんな、紫苑や蕨までもが殺されてしまう夢を見る。
毎回殺してくる相手も違うし。
私はゆっくりベッドから車いすへ移動すると、点滴台を一緒に引きずりながら病室の外にでる。
エレベーター横の案内板が目に入り、私はまたため息をついた。
私が今いるこの病棟の名前は、「D病棟」通称「イルカ病棟」だ。
どういう人が入るのかと言うと、治療不可能な病の人だ。
子供たちには隠してはいるが、もううすうす気づいているかもしれない。特に勘の鋭い蕨は。
私の病気は、もう、絶対に治らない。
私はエレベーターの前の案内板での前でしばらくぼーっとしたのち、自分の病室へゆっくりと引き換えした。




