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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第5章 感情の始まりと花姫?
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79 撮影会とこれからも (最終回)

「いやぁ、いいものができたよ!」

「俺は想定外だよバカ!!」


 俺とティア、そしてリーフとピアの休みが重なって1日が使える日に撮影会が行われることになった。

 ついでにということで、ティアもモデルになって色々撮られてたが、今は椅子の前に座って髪型をいじられている。

 装備は花の騎士の完成したフル装備になる。

 顔はでている状態で頭には花飾りがついている。そして鎧はファンタジーの女性騎士というイメージが俺の中でぴったりくるものだ。更に手足にもブーツとグローブが追加されて完成したわけだが。


「やっぱ、アキちゃんはポニテがいい」


 リーフは納得したように頷いてそういう。


「そうなのかな?」


 俺は言われるがままにされて、その後撮影になる。

 いつのまにか運営はカメラアイテムも実装したらしく、いろんな覚悟からそれを使って撮られる。


「うん、満足!」

「そうかい」

「次はわたくしのほうもお願いしますわ!」


 リーフの撮影が終わるとピアがそう言ってくる。

 ピアがそういう。

 その横にはティアがいるが、何故か白のスーツのようなアバターだ。

 ただ、サイズが合わせてあったり髪型を変えているのもあるからか似合ってるな。

 俺が現実でスーツ来ても、スーツに着られている感でそうだ。そんな事を考えていると、ピアの元まで移動するとティアが何故か俺の方をチラチラ見てくる。


「どうした?」

「い、いや、私も流石にこれは予想外だったっていうかね。緊張する」

「うん?」

「さぁ、こっちですわ!」


 いつもと違って裏の部屋に案内される。


「自分で見ながら着付けられるのと、目隠しでサプライズどっちがよろしいか希望はあります?」

「じゃあ目隠しでお願いします。というか着付けるの?」

「細かいところもこだわりたいので。じゃあ、目隠しつけますわね」


 どんな衣装かわからないけど、やるならひと思いにやってもらおう。

 その後、体感的にはものすごい長い時間が過ぎた気がする。

 指示通りに体を動かしたり、髪もかなり弄られている感じがある。

 最終的にたったままの態勢で調整を行われる。

 そして、その時がきた。


「じゃあ外しますわね」

「おう」


 目隠しがゆっくり外されて、最初明るさで視界が見えない。

 次第に視界が鮮明になってくると、いつの間にか俺がいる部屋に撮影機材などがセットされている。


「アキ……その、綺麗よ」


 隣にはスーツ姿のティアがいて何やらぎこちなくそう褒めてくる。


「お披露目ですわ」


 そう言われて俺の前に鏡が置かれる。

 鏡にはどうあがいても女性としか言えない状態の誰かが映る。いや、俺以外ありえないわけなんだけどさ。


「こ、これどういうことだ」

「インスピレーションがわいてやりすぎた感はありますわね」

「い、いい、いや、だって、これ、普通逆だろ!」


 その姿は花をモチーフにしたウェディングドレスとでも言うような豪華なものだった。隣にティアが立っているせいで、そう見えるのかもしれない。


「それじゃあ、撮影始めますわね!」

「もう、撮られればいいんだろ……」


 俺は諦めてなすがままだ。

 たまにポーズ指定されたりするが、動きにくい。そしてどうしても緊張する。


「な、なんか、ごめんな。こういうのってティアが着るべきのはずなのに」

「い、いや、いいわよ。似合ってるしね」

「それは複雑だっての。撮影だって俺があんなこと言わなければ、こうはならなかったのに。あとでお返しするから」

「お返しね……そ、それじゃあ、ひとつアキがいいならなんだけど。頼みがあるわ」

「なんだ? とりあえじ言ってみてくれ」

「そ、そそ、それは……本当に言っていいの?」

「ん? よくわかんねえけど」


 ティアは一度手を挙げる。


「リーフ。ちょっと録音よろしく……良くも悪くも残したいことがあるの」

「わかったけど、なに?」

「わたくしのほうでもしておきましょうか?」

「お願いします!」


 2人がそうして録音を始めたのを確認すると大きく深呼吸する。俺は一体何を言われるんだ。

 思わず俺までつばを飲み込んでしまう。


「あとでじゃなくていつかでいいから……私にウェディングドレス着る時に、隣にいてよ」

「…………」

「だ、だめ?」


 言われたことを認識するのに時間がかかって思わずフリーズした。

 それって、告白じゃ。しかもかなり大きな。

 いや、でも智愛にそんな様子は……あったな。うん、俺自身もだけど、正直意識はしていたな。

 ただ、ティアを知ってるからこそどうしてもひとつだけ気がかりなことがある。


「こんな事空気読めないって言うかもしれないけど、俺でいいのか? その、リアルの俺だって見た目あれだし。男らしさとかってなるとさ。周りからも」

「そんなの気にするわけないじゃない。何年の付き合いだと思ってるのよ」

「そ、そうか……な、なら、うん。俺が絶対に着せる。なんなら和服も……」

「それは、一緒に考えていこ」

「お、おう」


 やばい。最初は戸惑ったし緊張したしわけわかんなかったけど、俺にやけてきてるきがする。

 思った以上に嬉しい。


「な、なんかすごい場面に遭遇しちゃいましたけど。ふたりともいい表情ですね! そのまま、撮っちゃいましょう!」

「そ、そうですわね……すごい、場面に……いいなぁ」


 よく考えたら今の告白音のデータでのこちゃったのか。


「ほら、アキ! もう怖いものないし、なんなら現実じゃドレスなんて着れないんだから思いっきり撮ってもらっちゃいましょう!」

「そうだな!」


 このあと、現実でも俺から改めて告白して智愛とは付き合うことになった。

 そして撮影の結果になるが、ブログの閲覧数はブログランキングのトップに躍り出るレベルになったらしい。

 更に、俺のメールアドレスに一通のメールが届いた。ゲームの攻略本や雑誌を作ってる出版社からで、その1コーナーのモデルをやらないかという誘いだ。バイトに近い形でお金もでるらしい。

 どこで知ったか聞いたらブログもそうだが、どうやら最初にリーフにもらったアバターを着ていた時に感じた視線の主が、その企画をした編集者だったらしい。

 俺は恐れ多いことや普通にプレイを楽しみたいこともあって、一度だけならということでその仕事を受けた。

 さらに、ブログのそれを受けてか公式が結婚システムの導入を考え始めているという噂もでてきたりして、まだまだOAOは盛り上がりがやまなそうだ。

 少なくともこれからも俺はこのゲームを楽しんでいけそうだし、それに一生物の思い出になった。そんな素晴らしいゲームに出会えてよかったと、この時ふと思った。


 突然感や駆け足感が最後でてしまいましたがこれで完結になります。

 本当はもう少し回収すべきことがあるのも理解しているのですが、心の持ち方とかいろいろな意見を聞いていたこと。そして更新途中で変に空白が自分の中でできてしまってまとめきれなかったことが原因です。申し訳ありません。

 ですが、そんな中でもこの作品はかなり良いものにできていたと思っていますし、この作品の完結までの中では一番の評価や多くの方に見て頂けました。

 本当に嬉しい限りの作品です。


 後日談等がもしかけたなら更新を少しするかもしれませんが、本編完結ということもあってここで完結マークを一度押させていただきたいと思います。


 この作品のリメイクやその書ききれてないと思った部分も保管したバージョンはいつか書くかもしれないし書かないかもしれない未定ですが、挑戦したい気持ちがないわけでもなく設定のまとめ直しなどもノートに改めて行ってはいますので、頭の片隅でお待ちいただけたら幸いです。


 そして数作品現在書かせていただいてますが、どこかに私の中でVRゲーム作品を書いていたいという気持ちが残っているのかすでに新作の設定はできています。

 早いうちに投稿するかもしれませんので、また私のVR作品が見たいという方がいたら活動報告やTwitterなどで確認して頂けると幸いです。

 ここにも投稿次第URLは載せたいと思っておりますが、未定です。


 新作内容(予定)はまた女性誤認されるような主人公ですが、ゲームシステムが今までに書いたことがなく私的には見たことがない協力推奨システムになっていて、協力が必須になるゲームです。今まで以上に人間関係ゲーム内コミュニティを深掘りする作品になると思います。


 それでは改めまして、ここまで読んでくださった皆様本当に有難うございました。

 これからもYuyu*を応援して頂けたなら幸いです。

 

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