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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第4章 ミスコンと男らしさ?
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70 早朝の写真撮影

 目覚ましより早い時間に自然と目が覚めた。

 文化祭当日になったという実感がいまいち沸きもしないままに朝食を取って学校へと向かう。

 そして学校の正門にたどり着いた所でようやく文化祭を実感することができた。

 昨日の夜にあんなにも緊張していたのに、文化祭だと実感するのが装飾された正門を見た時ってどうなんだろう。

 人がまだ少ないと感じる校内を歩いて行く。今日は教室ではなく、空き教室を借りた荷物置き場へと登校するわけだが、たどり着くとミスコン衣裳担当のクラスメイトと写真部が待機していた。


「おはよう、アキちゃん!」

「おはようございます! 本日はよろしくお願いします!」

「テンション高いなお前ら……」


 俺は思わず口に出してそう言ってしまう。なぜ人がまだ来ていない時間に来ているかというと、ミスコンが原因だ。

 数十分後、その教室にはアニメやらのお嬢様校などでよく見るような雰囲気の女子学生制服を身にまとっていた。


「アキちゃん、こんな感じのポーズで、次はこれ!」


 そう、写真撮影である。ミスコンのスケジュールとしては午後の1時頃から体育館ステージでアピールタイムを行い、文化祭が終わりに近づく4時頃から校庭ステージでラストアピールと基準はわからない審査員評価が行われてそのまま結果発表となる。

 つまり午前中は、そこかしこの掲示板やらに写真掲示をして投票やステージの宣伝をしていくことになり、そのための写真撮影を朝にしているということだ。


「お疲れ様でした! では、新聞部が全力を持って宣伝させていだきます! では、文化祭楽しんでいきましょう!」


 新聞部員はそう言ってテンション高く、勢いもよく教室を出ていった。


「アキちゃんはどうする?」

「何が?」

「着替える? 1日それですごす? あたしとしては全然かまわないけど!」

「午後はともかく午前中もこれで過ごすのはごめんだ……」

「じゃあ、着替えたらまたそこにもとに戻しておいてね! あたしは一足さきに教室でみんな待ってるから!」


 そして俺は教室で1人になってしまう。

 念のために簡易フィッティングルームの中で男子制服に着替えなおしてから教室へと向かうわけだが、脱いだ制服をハンガーにかける時に空き教室の扉が開く。


「…………今から着替えるならでておくけど」

「変な気を使うなよ。おはよう」

「おはよう、秋」


 智愛だった。なにを気を使ったのかゆっくり扉を閉めようとした所で、それを阻止した。

 いや、ちゃんと着替え終わってからハンガーにあっけているから見られても問題ないんだけどさ。変な誤解がうまれたままではいけない気がする。


「早いな」

「なんか落ち着かなかったのよ」

「まあ、そうか……そうか?」

「そうなのよ」


 去年も経験していただろうにどうしたんだろうか。


「ま、まあ、教室いきましょうよ」

「そうだなー」


 空き教室を出て、クラスへと向かう道中も話は続く。


「そういえば、秋は今日はどうするの?」

「うん?」

「ほ、ほら、文化祭中ってどうするのかなって」

「午後はミスコンを不本意ながら頑張らないといけないからな……午前はぶらぶらするんじゃないか?」

「そ、そうなんだ……」

「智愛は午後から担当だったっけか?」

「そ、そうね。だから午前中は暇なのよねー」


 なんか声に力が入ってる気がする。これはもしかして、誘ってほしいのか。まあ、1人で文化祭とか寂しいけど、たしかに自分から誘うって勇気いるからな。俺相手にするかといわれると微妙だけど、変な期待はしてはいけない。


「そんなら午前中一緒にまわるか?」

「い、いいの?」

「まあ、どうせ1人だし」

「じゃ、じゃあ、一緒にまわりましょう」

「おう」


 去年よりは楽しくなりそうだ。


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