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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
67/80

67 些細な変化

 残りの休みは疲れ切った精神を癒やすためにゲームにはログインをしなかった。

 そしてまた学校の登校日となり、本格的に文化祭シーズンへと入ってくる。もうすぐ文化祭ということもあり、学校内でも作りかけの作品とかが空き教室や特別教室に保管されていたりする様子がちらほらと見える。


「よっす、秋乃!」

「よう、隼人。元気だな」

「まあな! いつも通り元気だぜ」

「俺は疲れ気味だよ……」


 教室にたどり着いていつものようなやり取りを繰り広げる。そして続々とクラスメイトたちが登校してきて賑やかになってきた所で、翠花と智愛も教室にはいってきた。


「おはようございます、秋乃さん。この前はお疲れ様でした」

「おはよう、マジ疲れたわ……楽しかったけどさ」

「時差ボケ起こしそうになりますよね」


 少なくとも翠花はいつもどおりの様子だ。ただ、後ろにいる智愛がなんかおかしい気がする。


「お、おはよ、秋」

「おう、大丈夫か?」

「な、何が!?」

「いや、なんか顔赤いから。熱でもあるんじゃねえのかと」

「平熱だったから学校に来てるのよ!」

「お、おう。そうか」


 一体何だって言うんだ。


「翠花なんか知ってるか?」

「智愛の様子ですか?」

「うん」

「まあ……なんというかやっとそうなったのかって感じですね。まあ、しばらく見守ってあげつつ話しかけてあげてください」


 何かは知っているが、2人だけの秘密とか女じゃないと話しにくいことってことか。それじゃあ、俺が無理に聞くわけにもいかないな。


「まあ、そういうことならそうするけど、文化祭大丈夫かあれ」

「そっちには影響ないと思いますので、気にせず」

「ふぅん……」

「心配ですか?」

「まあ、見たことない感じになってるから。心配ではあるけど、翠花はなんか知ってるっぽいしやばいことじゃないならしょうがないなと」

「ふふっ、それならおまかせください。わたしがどうにかしておきますので」

「任せた」


 その日はなんとなく智愛から避けられていた気がするが、かといって少し気にすると近くに入る気がする。そのまま放課後が訪れて、文化祭準備のために慣れたように引きずられて色々衣装を着せられたり、デザインを見せられたりとしたあとに開放され家につく頃には外は暗くなっていた。


「だぁ~……づかれた」

「おつかれ、お兄ちゃん」


 風呂から上がってソファに寝転がった所で、夏海ちゃんがそういってわるたいぷのアイスの片割れを渡してくる。


「文化祭が軽くトラウマになりそうだ……」

「そんなこといいながらもつっぱねない辺りはお人好しだよね」

「妹にお人好しと言われるって相当じゃねえか……あ、そういえばそうだ」

「ん? どったの?」

「智愛の様子がおかしかったんだけどなんか夏海ちゃんは知ってたりするか?」


 どうしても気になってしまう。朝だけならまだしも1日あんな行動だったからな。


「智愛ねえとは特に話したりしてないから知らないけど……どんなふうに変だったの?」

「なんか、朝から顔がほのかに赤くて、そんで避けられてるかと思えば絶対に近くには居るっつうのかな」

「…………よくそんなに智愛ねえのこと見てたね」

「う、うっさいわ!」

「まあ、幼馴染のことは気になるもんね~。でも、その反応……今日の朝からなの?」

「おう。少なくとも先週の金曜はそんなことなかったし、ゲームのイベントでも全然普通な感じだったからな」

「イベント……なんか変なことしたとかじゃないの?」

「……まあ事故がなんどか起きたことは認めよう」

「あとで謝っておかないと駄目だよー。あんがい気にしちゃうんだから」

「一応、その場では謝ったけど改めて謝るべきか」

「でも謝りすぎてもあれだしー。それこそ、ちょっとお出かけに誘っておごってあげるとかそういうのでいんじゃない?」

「……そだな。文化祭終わってからそうしてみるわ」

「それがいいよ」


 そうと決まれば、どこに行くかもあとで調べないとな。しかし、智愛と学校帰り以外で本格的に出かけるとか下手したら小学以来かもしれないな。

 俺は自室へと戻ってパソコンで、少しばかり近場の観光スポットなりを調べ始めた。


 ……あれ、もしかしてこれってデートなんじゃ。


これにて第3章完結です。

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