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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
62/80

62 壁画とモンスター

 スケルトンを亡骸へと戻してから部屋を探索してみるが、鍵は見つからなかった。

 部屋を出てもう一つの扉を今度は開いてみる――折れた剣やら割れた盾など放置されているところから設定的には武器庫か倉庫に位置づけられていた場所なのか。


「ここに鍵とか言わないよな……かなりごちゃごちゃしてるんだけど」

「最後でいいかもしれないわね。この武器とかも特に使いみちなさそうだし」

「解体して鉄素材とかにできたりしないのか?」

「耐久力残ってれば別だけど、こんだけボロボロだと普通に鉄鉱石とったほうがいいわよ」

「そんじゃ、あとでってことで」


 この部屋もあとにして、階段のある空間へと戻ってくる。

 相変わらず鉄の扉にはしっかりと南京錠がかかっていて開かない。


「じゃあ、次はこっちの石の扉ってことだな」

「そうなるわね……気をつけてね」


 ゆっくりと扉を開いて中へと入る。扉の先は長めの廊下になっていた。直進した先はランタンの明かりでは照らしきれずに奥は見えない。


「うわぁ……」

「何か絶対でそうよね」

「ナツつれてくるべきだったな。あいつなら光属性魔法で手に持たなくても光源作れたし」

「それはたしかにそうかもしれないわね……」


 ちなみにそのナツは、戦闘とスリルを求めて火山攻略チームにはいって今頃遺跡の中で暴れているだろう。

 通路をゆっくりとすすむ。会話をしていないと、変わらず水滴の落ちる音だけがところどころで響いている。

 少し歩いたところで角にたどり着く。そのまま道は右方向へと続いている。顔を見合わせて頷くと道にそって更に進んでいく。

 最後にたどり着いたのは1つの扉だった。ここ以外に鍵の可能性が倉庫しかないことを考えるといくら迷ったとしても入るしか選択肢は存在しないということで、扉を開く。

 中は実際には分からないが、正方形の大きさでそこそこ広い部屋のようになっている。

 部屋の中心には宝箱がポツンを存在していて、その他に目立った物は見当たらない。そのまま俺が宝箱をあけようとしたその時だ。


「アキ! ちょっとストップ」

「うん?」


 ギリギリのところでティアに止められる。そしてティアの方を見ると、ランタンで照らされた壁が見えた――そこには、最初の遺跡で見たような絵が彫られている。


「これって、一緒の内容なの?」

「いや、少し違う気がする……ちょっと、照らしててくれ」


 俺は遺跡の絵を思い出してみる。やっぱり、違う絵になっているな。

 ここの絵は水の中に何かが沈んでいる様子から始まって、その周りを渦巻く何かの存在が描かれている。その何かは崩れていて何かは分からないが守っているのかもしれない。最後には台座に水晶を置く人の絵だ。ここだけのストーリーとしては理解できるが、あの寝床とかの説明がつかないんだよな。案外、ストーリーとか深く考えたら負けのイベントなのか。

 もしくは想像力で考察してくれってことなのか。

 まあ、今はそれはいいとしよう。


「宝箱についてはないわよねこれ」

「ないな……ただ、多分台座が水中にあって、モンスターがいるってことは確かだろうな」

「ってことは、鉄扉の先に潜る場所があるのかしら……光源どうするのよ」

「とりあえず、扉を開けないことには何もわからないだろう。宝箱あけよう」


 俺は宝箱を開けた。鍵は特にかかってなく、中には酸素を回復する丸薬アイテムと鍵が一つはいっている。


「……水中戦という警告にしかみえないアイテムだな」


 丸薬は数個はいっていたので半分をティアに渡す。


「頑張るしかないわよね……ハンマーでスタン狙って見るわ」

「はいよ」


 鍵を取り出して念のために他の絵やアイテムがないかを確認し終えたあと、俺たちは階段のあるフロアへと戻った。


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