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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
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57 湖探索と意識

 翌朝、再び大量の料理を作る作業を経た後にそれぞれ分かれて探索を開始する。

 昨日よりも人数が増えたこともあって探索範囲は広がった。今日の俺のパーティーのメンバーは昨日の2人とティアの4人態勢になる。


「俺たちはどこの探索になるんだ?」


 先頭を歩くのは一番戦闘力を持っているナツだ。

 そして俺が殿をつとめて、間にティアとヒノカちゃんになる。


「えっとね、なつたちは島の西の南よりあたりを探索してほしいって言われてたっけ?」

「なんで朝のことを忘れるかけてるの……それであってるからいいけど」


 ヒノカちゃんは少し頭を抑えながらそういう。


「西南っていうと……私達のキャンプしてた湖とかあのへんかしらね」

「そういえば、あそこも島で言えば西南あたりだったか……南西?」

「まあどっちにしても島を4つのブロックに分けたらあのへんってことよ……森と湖以外遺跡ありそうな場所なかった記憶があるけど、アキはなんか見つけたりしたの?」

「まあ、たしかにあのへんは湖と森しかねえから望みは薄い気がするけどな」

「ティア姉たちあのへんにいたんだ……正直、湖に興味なくて全然探索してなかったよ」


 妙に人が来ないと思ったらそういうことだったのか。

 まあ、たしかに探索すればするほど植物素材とか飯素材には困らないけど、冒険好きには物足りない場所だったかもな。


「じゃあ、湖は後回しにして森に行こう!」


 そして自分の妹がわけのわからない提案をしてくる。なんで、それだけ言って森を先にしようとするんだ。


「お二人はそれでも大丈夫ですか?」


 ヒノカちゃんは諦めたような表情でこちらに確認をしてくれる。多分、反論しても聞かないんだろうな。


「まあ、最終的にどっちもするんだろうし、いいけど」

「私もどっちでも大丈夫よ」

「じゃあ、ほらナツいきなさい」

「よーし、なつについてこーい!」


 犬か何かだろうかと思ってしまうが、今は突っ込まないでおこう。こういう友達がいること自体はとても良いことなんだしな。

 しばらく森を探索してみたが、やはり変化はなかった。まあ想像通りとは言えるんだけどな。

 森まるごと変化するようなイベントだとさすがにわかりやすいと思うし。

 そして昼を少し過ぎた頃になって、湖のほとりへとやってきた。

 俺たちのキャンプ痕がまだ残っている。


「これってお姉ちゃんたちの?」

「そういうことだ……さて、湖な」


 とりあえず覗き込んで見る。特に外から見た感じは変化がない気がする。


「中にはいったことってある?」

「俺が一回だけ引きずり込まれた……モンスターはいるってことだな」

「あぁ~、そうなると水泳? 泳ぎ? が必要ってことか。お姉ちゃんかティア姉持ってない?」


 この感じだとヒノカちゃんとナツは持ってないってことになるな。


「ティアはどうだったっけか?」

「取ろうかずっと悩んでて結局とってないのよね。他のパーティーにもいないならとろっかな」

「俺もなんか水難の相でもでてそうだし、なによりSPも枠もあまってるからとるかな」

「ってことは、レベル1としても2人は最低限……ていうか、お姉ちゃんとるならすぐとってくれたりしない?」

「ちょっと、姉妹といっても無茶いいすぎ……アキさん、いいんですよ。否定しても」

「いや、もともと実際に今回だけじゃなくて水には引きずり込まれやすいんだよな……いっそのこと見てきてやる!」

「よろしく!」


 俺はメニューを出して【水泳】を取得する。そして湖に入るために、若干躊躇しながらもワンピースを脱いだ。

 その瞬間にティアが悲鳴を上げた。


「な、なな、なんでいきなり脱いでんのよ!」

「いや、だっていつもアバターのままでダメージためちゃってるし。リーフにも悪いからなって……なんでそんな顔赤くしてんだよ」

「お姉ちゃんも赤いよ……まあティア姉も女同士なんだから気にしなくていいと思うけど」

「そうだ。前までそこまで意識してなかったじゃねえか……そりゃ、多少はあれかもしれないし、お前は俺のことちゃんと認識してくれてるとはいってたけどさ」

「いいから、もうこれ着てきなさい! だめになってもいいから!」


 そう言って、ティアに無理やりTシャツと短パンのアバターを渡された。とりあえず着ておく。


「んじゃ、行ってくる」

「外は任せてー」


 俺はそうして湖の中へと飛び込んだ。


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