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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
55/80

55 遺跡と水晶

 ナツたちが集めてきた情報をもとに話し合いをした結果、複数の班に別れることになった。

 調べてきたところ、モンスターの数が予想以上に多くて、殲滅は時間がかかりそうということだ。


「それで、なんで俺はここに入れられているわけ……」


 今日の夜にキャンプのパーティーが全員集まったらさらに再編成の予定はあるが、午後の行動チームはこうなった。

 まず、原因探索チーム。名前の通り暴走の原因を探りに様々な場所を探索しに行くチームだ。2つチームを作りAチームが俺とナツとヒノカちゃん。そしてBチームは残りのナツのチームの子たちらしい。

 そしてキャンプ防衛チームがミドリとリーフとナツのチームの子だ。そしてティアは消耗した武器や防具の修復をここで行うらしい。

 そんなわけで、現在キャンプ地を出発して遺跡付近まで移動していた。


「まあ、お姉ちゃんは戦えるし」

「いや、でもナツたちほどじゃないと思うんだよな」

「ちなみに魔法攻撃とかはありますか?」

「いや、さっぱりだ。槍一筋だよ……一応、【長槍】までは派生させてるけどね」

「なら、大丈夫だと思いますよ。もしものときはナツの光魔法で回復もある程度はできるので」

「あいつは本当にオールマイティだな……いつも迷惑かけてない?」

「……まぁ、楽しいですので」


 否定しないあたり苦労してそうだな。ということは、リア友とよくプレイしてるって聞くし、俺の後輩にあたる子なのかな。でも、ナツならネットの子も混ざっててもおかしくない程度にコミュ力はあるか。


「もう、ヒノカちゃんとお姉ちゃん早く!」

「ちゃんと調べていけよ……」

「さすがにこんな道中の森のなかに原因なんてないって!」

「まぁ、そうかもしれないけどな……」


 そんなように道中も何かないかを確認しながら遺跡までたどり着いた。特にここまでで収穫は残念ながら0だ。

 遺跡は俺は初めてたどり着いたわけだが、少し削れたり割れたりしている岩で作られている遺跡跡の真ん中に、大きな扉付きの門がそびえ立っている形だ。


「これの中が遺跡か?」

「うぅん、遺跡はこの道進んでいくと、まだ壊れてない城があるの。それはダンジョンの入り口」

「そうなのか……」


 遺跡とダンジョンは一緒になっていたんだな。

 ひとまずダンジョンは後にして、ナツの先導のもと遺跡へと進んでいく。途中でモンスターに襲われたが、難なく迎撃することができた。


「盾をうまく使うもんだな」

「ありがとうございます。大きな武器振り回すのがあんまりしっくりこなくて」

「そういうことか」

「ナツみたいに片手剣としても両手剣としても使える剣を選ぼうとも思ったんですが、防御があるのが一番しっくりきました」

「やっぱり得意不得意はあるんだな」

「ですね」


 ヒノカちゃんと会話していると先に進んでいっていたナツが大声を上げた。


「ヒノカちゃん、お姉ちゃんちょっとこっちこっち!」


 何か見つけたようで、急いで向かうと、そこには遺跡の岩に絵が彫り込まれていた。


「これがどうしたんだ?」

「ヒノカちゃん……これってさ」

「この前来たときはなかったものね」

「そうなのか?」


 俺は一度も来たことがないし、さすがに一度行ったティアにもそこまでの説明はされてないし聞くこともなかった。


「はい……少なくとも2回はここにきましたけど、こんなものは」


 絵を見てみると、岩と同じように風化してところどころ割れたり削れたりしてわからなくなっているが。遺跡の中に何かがおいてある。


「これってなんなのかな?」

「ちょっと、この遺跡ももう一回回り直してみましょう」

「そだね。お姉ちゃん気をつけてね。遺跡内でもモンスターでてくるから」

「はいよ」


 遺跡内の変化の確認は2人に任せながら殿を務めて遺跡の更に内部へとはいっていく。1時間ほどかけて中を見て回っていき、最後に中庭と思われる場所についたときだった。


「……なにこれ?」


 ナツはそれを見てそうつぶやいた。中庭の中心に台座のようなものがあり、その上に3つの水晶がおいてある。


「さっきの絵に描いてあったのってこれかもしれません」

「どういうことだ?」

「遺跡にある台座にそれぞれの水晶を置くと何かが起きるみたいな」

「……今回のイベント関係あるのか?」

「イベントがきっかけでこれがでてきたと考えると自然かなって思います。夜に掲示板を確認して遺跡でなにか別のイベント開放したとかあったら違うかもしれませんが」

「とりあえず、一個だけ、ここの台座にハマってるヤツだけ光ってるね」


 ナツがそういう。その通りで、水晶は3つあるが2つは光を放っておらず、さらに台座には1つしか水晶をはめられそうな場所は見当たらないのだ。


「もしかして、別の場所にも遺跡があるか現れたかもしれないってことか?」

「かもしれませんね。ただ、絵が削れてるせいでその場所のヒントがわからなくなってたってことかもしれません」

「うぅん……とりあえず、水晶回収して作戦会議だな」

「そうですね」


 俺たちはひとまず、その光っていない2つの水晶を回収してからキャンプへと戻ることにした。


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