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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
53/80

53 緊急クエスト発令

 気づけば残りの日数も少なくなってきた。朝食と取っている最中のことだった。

 突然、通知音が響き渡り空に【Warning】と赤字で流れている。

 通知の方を確認すると、緊急イベントクエストと書かれたクエストが強制受注させられている。


「モンスターの暴走……?」


 いち早くクエストを確認したリーフがそうつぶやく。

 俺も急いでクエストの中身を読んで見る。


【モンスターの暴走 緊急イベントクエスト】

 フィールド内にいる様々なモンスターの成体が暴走を始めた。冒険者諸君はこのモンスターたちの討伐もしくは原因を見つけ出し解決せよ。

 なお、このイベントクエストの積極的参加などは自由だが、イベントクエスト特別賞なども用意しているので頑張って楽しんでほしい。


 報酬などの詳しいものは書いていなかったけれど、おそらくイベントでのポイントだろう。


「ものすごいざっくりしてるわね……」

「でも、モンスターの暴走ってなると結構やばいかもな。テントとか家を作ってセーフティエリアを仮組みできていても、特殊条件でエリア内に入ってくる可能性も否定できないイベントだ」

「ですね。今回は、他のパーティーとの合流も考えたほうがいいと思います」


 たしかにその通りだ。戦闘に特化してないパーティーの防衛力では不安が残る。


「そうはいっても他のパーティーのあてがあるの? っていうのと、まず原因の解決ってなんだろうっていう感じだよね」

「まあ、そうなんだけどな……ひとまず今日は一緒に行動ってことでいいか?」

「それには賛成」

「そうね。……遺跡にいけばある程度プレイヤーは固まってるかも」

「でも、遺跡までの道がここからだと遠くないですか? それなら砂浜の海や森の中の開けた場所にいったほうがいいと思います。あそこはいくつかのパーティーがキャンプエリアにしてたらしいので」


 ミドリの情報が正しいと考えれば、そっちのほうが近いし安全だな。ただ、それは同時に狙われやすそうでもある。

 モンスターが暴走したとしてどういう行動を取ってくるのか次第か。


「まあ、ここはリーダーに決めてもらうのがいいと思うかな」

「そうね。リーダーに決めてもらいましょう」

「そうですね」

「…………うん?」


 みんなそんなことを言いながら何故か俺の方を見てきた。


「リーダーだっけ?」


 自分のことを指差しながら確認してみる。


「たしか……」

「多分……」

「雰囲気的に……」


 ものすごいふわっとした感じにリーダー認定されていたらしい。


「……じゃあ、森のキャンプ場行こう。ていうかリーフ、俺の服は!?」

「さすがに、まだだよ。まあそのワンピースで我慢して」

「これで出歩くのか……仕方ない」


 スカートだと大きく動けないんだよな。そう思いながらも、クエストが発生した以上は動かなければならない。


「テントどうするか」

「別に高いものじゃないので、残しておく分には問題ないですよ」

「そんじゃあ、襲われないこと前提で残しておくってことで。それぞれ、装備整えたら出発しよう」

「はーい」


 俺たちは装備を整えた後に、湖をあとにして一番近くのキャンプしてるパーティーが多い広場へとむかって歩き始めた。


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