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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
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51 着替えと修復

 俺が水に引きずり込まれる事件があってから数時間が立って、残りの2人も帰ってきた。


「……一体何があったの?」


 まず俺をみたリーフの第一声がそれだった。水は乾いたものの、結構なダメージを受けていた。


「あぁ、そういえば、耐水性つけてなかったもんね! うん! 直してあげるから脱いで!」

「ちょっと、まってくれ」

「人前で脱ぐのはゲームでもダメ?」

「それも嫌だけど、これみてなんの質問もなしかよ」

「あたし的には何があったとしても大丈夫だよ。受け入れるから」

「何言ってんだ……」

「じゃあ、わたしが代わりに。何があったんですか?」


 ミドリが荷物をおいてきて聞いてくれる。


「いや、まあ釣り竿で釣りしてたらそこの湖に引きずり込まれた」

「魚いたんですね……でも、引きずり込まれるってどんだけ大物の」

「いや、モンスターだったからスキルレベルが足りなくてな」

「そっちですか」

「そっちだ」

「それで、ティアはティアでなんで一心不乱に金属叩いてるの」

「それは俺にもよくわからん」

「まあ、どちらにせよその服は直してもらったほうがいいですよ。ここは見てますので行ってきてください」

「お、おう……」

「じゃあ、レッツゴー!」


 そういってリーフに近くの森のなかに引っ張り連れて行かれることになった。


「さぁ、アキちゃん脱ごうね~」

「まて、自分で脱げるから。はごうとするな!」

「……なんでアキちゃん男の子なのに女子の服に詳しいの~……」


 ひとまずジャケットを脱いで渡す。


「あぁ~……他のも全部やっちゃったほうがいいかもね。素材は実はここ数日で耐水用のはあつまってるから。ほら、全部脱いで」

「着るものがなくなるわ! ただでさえ自分ですら目に毒なのに下着で過ごせってか!?」

「あぁ……じゃあ、はいこれきて」


 言われるがままに来ていたアバターを脱いで渡して、代わりのアバターを装備する――肩がでていて白を貴重としたデザイン。そして膝の少し上ほどまであるスカートって。


「これ、この前の夜作ってたワンピースじゃん!」

「いやぁ、サイズあいそうなのそれしかなくて」

「なんて、数日前に作ったやつが俺のサイズにあってるんだよ!」

「アキちゃん女子に近いし? 平均的というかなんというか。まあ、それ以外ないし似合ってるから我慢して!」

「くぅ……」


 これ以外ないんじゃ文句言っても何も解決しないし仕方ない。

 でも、スカートのスースーする感じがとにかく苦手だ。

 仕方なく着替え終わってキャンプに戻ると、俺を見ての第一声がこれだ。


「お似合いですね。清潔感があっていいと思います」

「はぁ……はぁ……疲れた。でも落ち着いたわ。アキ、大丈夫……」

「な、なんだよ」

「いや、なんか……ごめん」


 ティアが発言にこまっていたたまれない空気になってしまった。


「もういい! 飯作るから素材よこせ!」

「今日はこんな感じの収穫でした」


 海の貝が少しと、モンスターからドロップしたという味噌を手渡された。そして、モンスターの肉が少しばかり。


「味噌汁が作れるな……リーフはなんかとれたか?」

「はい」

「おう……うん、これなら汚れない! ってなんでだ!」


 リーフから渡されたアバターを装備してすぐにそうツッコミを入れざるを得なかった。

 たしかに白いワンピースだから汚れ目立つかもしれないけど、なんでエプロンまで用意してあるんだよ。


「なんか、ここ数日料理してるアキちゃんみてインスピレーションがわいちゃって」

「アキは現実でも料理うまいからね~」

「そうなの?」

「たまに女子力で負けた気持ちになるわよ」


 一回料理がうますぎると逆ギレされたことを思い出してしまった。

 俺は心を無にして夕飯作りを開始することにした。なんか後ろからスクショの音が度々聞こえた気がするから、あとで問い詰めることにしよう。


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