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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
45/80

45 花と巣

 朝になって目を覚ました俺達は軽い朝食をとった後に今日の行動方針を決める。


「ティアは、どうする?」

「山にいきたいところだけど、実は昨日以上にいくと熱ダメージがあるから耐熱どうにかしないとなのよね。だから遺跡とかにいってみてそれらしいものがないか探して見たいわね」

「わたしは昨日取ってきた薬草の調合をしたいので、テント周辺の湖や森を探索しつつ待っていますよ」

「ミドリは待機というかってことな……リーフはどうする?」

「宝石が見つかったからね、鉱石も加工とか後でしてもらってリングにしてもらわないとあたしは何もできないし……となると、モンスターの毛皮とかが欲しくなるってことで、ティアかアキちゃんがそういうところにいくならどっちかについていこうかな」


 となると俺次第ってことになるのか。俺は薬草類は手に入れたけど、それはミドリがやってくれているとなると……調味料も手に入ったし、悩むな。


「アキこれなんかどう?」


 俺が何をするか悩んでいると、ティアが自分の手元にだしたパネルを回して俺の方になげてくる。パネルを使いこなしすぎだろ。

 そこでているのはイベント期間限定の掲示板だ。


『モンスターの巣を発見。その奥に花のアイテムが見つけられたが何のアイテムかもわからず、使用用途がわからないから俺たちは別の場所を探索する』


 これにたいして、花のアイテムという大雑把なことにたいするツッコミが入っているが、そもそも武器や防具に、食料を探している人たちが多いと予想すれば花は後回しになるだろうな。


「モンスターもでるっていうならいってみるか。よし、行ってくる」

「どうせこっちの遺跡は他の人もいそうだし、リーフはアキについていってあげてくれるかしら」

「おまかせあれー!」


 今日の行動が決定した。ティアは遺跡探索、ミドリは拠点の番とアイテム製作で、俺とリーフが謎の花の採取とモンスターから肉と毛皮を手に入れるという感じだ。


 早速移動を開始した俺たちが向かっているのは島の中心部だ。

 森と山に挟まれたところにある、洞窟に例の巣と花が見つかったらしい。だが、島の中心に向かうのがそこそこ苦労を要するものだった。


「くっそ、植物モンスターが多い!」


 レベルは低くて、苦戦するものじゃないが森の中で、足場が不安定なのもあって数が多いと面倒くさい。槍の先で敵を切り倒しながら進んでいく。槍が届かない範囲はリーフが魔法でどうにか対応してくれている。


「山は山で辛かったけど、こっちのほうが面倒くさいって意味で辛いね」

「本当にな! 救いなのは植物モンスターがたまに野菜ドロップで落としてくれることだ。昨日より栄養満点になる!」

「半分ヤケになってない、アキちゃん?」

「なってるぅ! おらぁ!!」


 洞窟が見え始めたあたりで遭遇した植物モンスターの群れの最後の一匹に槍を差し入れて押し込むと、HPゲージが0になって動かなくなった。


「はぁ……はぁ……」

「おつかれー。大丈夫?」

「MPはほぼ使わない戦闘スタイルだから、消耗はどうにかなる」

「アーツ使わないとそうだよね。でも、巣の主とかいけそう?」

「最悪、花だけとって逃げれば大丈夫だろ」


 どこかの狩猟ゲームには卵を運搬するクエストとかもあるんだし。

 俺たちは少し休憩してから、島の中心にある小さな山の洞窟を入り口から一つずつのぞいていく。そして3つ目の洞窟を覗いたところで、奥にオレンジ色の花を見つけることができる。その花は少し輝いて見える。


「あれか?」

「掲示板を見る限り特徴はあってるね。洞窟の中にも巣らしい藁とホネ落ちてるし」

「そんじゃあ……行くか」


 足音を極力立てないように洞窟の中へと入る。中は外から見たとおりに藁で卵でも奥化のような形に巣ができている。


「俺がここで警戒してるから、リーフは花を」

「まかせて」


 さらに奥にある花のほうにリーフが移動していく。俺は少し巣の中を調べながら警戒をしていると、少し盛り上がった藁を見つける。その藁を少しどかしてみると、見るからに大きい卵が姿を表した。両手で抱えないと運べそうにない気がする。


「これ、どんなモンスターなんだ」

「アキちゃーん。思いの外多くあったから3本とってきたよ」

「おぉ、ナイスだ。こっちも見てくれよ」

「うわ、すっごい卵……絶対これ竜とかそういうゲームだよ。あの有名ゲーム的に」

「やっぱりそう思うか……うん? なんか風強いな、嵐でも起きたのか?」

「いや、さすがに入り口からそこそこ距離あるし、この風上から――上から?」


 リーフが言ったところで同時に上を見上げる。巣の上は吹き抜けになっているが、そこから大きな2つの翼を羽ばたかせる何かが降りようとしていた。そして、その目はこちらをしっかりと捉えている。


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