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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
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38 焼き方と暴露

 本日も平原にやってきました。


「よいしょぉ!」


 そして、槍で草食獣を斬り倒す。昔は突き倒すだったけど、なんか薙刀ではないがこういう使い方のほうが使いやすい――気がする。

 草食獣を何体か倒して、ドロップ品を確認する。【料理】のスキルを取得してから肉か通常ドロップ品かを選べるようになった。

 今はただひたすらに肉をかき集める。そして、3ダースほど集まってからセーフティエリアまで移動する。


「今は【料理Lv9】で、野菜炒めがギリギリレベルだ。ひとまずこの肉を全部焼いてスキルのレベルを10まで持っていけるはず。10とかが区切りで新しいものが作れるようになると信じて、いざ!」


 俺は焚き火を作ってその周りを大きめの石で囲う。大きさはフライパンが上におけるような大きさだ。

 そしてフライパンをおき、その上に以前に使ってストックしておいた、肉の油部分をおいてひたすらに熱する。実際に可能かは別として、今の俺に与えられた油をGETするほうほうは肉からの現地調達だ。

 その間に、肉本体のほうは包丁で雑に脂身部分をとって、フライパンに入る大きさにぶつ切りにする。

 ただ、俺はここで閃いてしまった。今まではこんなに手間のかかる方法を取っていたが――。


「棒にぶっ刺して、焚き火の周りに突き刺したほうが一気に数焼けるんじゃないか?」


 現実での料理法が身に付いてるせいで、中々たどり着くことができなかったけど。そもそもフライパンを使わず焚き火だけでもできるような料理とか丸焼きが初期レベルで作れる料理なんだ。

 丸焼きなんて棒で貫いてるようなものじゃないか。

 有言実行、その辺にあった木とかを雑にだけど加工して肉をぶっ刺して焼いてみた。


「……楽だ」


 思わず口から漏れ出た感想だ。フライパンはどうしても、片面ずつで、ひっくり返したりしないと焦げるが、これなら豪快に全体を焼ける。多少ムラはできるだろうけど、食えればいいし経験値になればそれでいいので気にしないことにしよう。


 数分後。

 クオリティは少し低いが、かなり大量の草食獣の焼肉ができた。

 食べてみると――当たり前だが調味料つけてないから、肉の味しかしない。正直、微妙だ。


「おぉ~。豪快だね」

「うん?」


 後ろから声が聞こえて振り向くと、いつのまにやらリーフがいた。


「いつからいた?」

「今さっききたばっかりだし、今回はほんとうに偶然だよ」

「そうか……塩とか売ってる所知らないか?」

「残念ながら料理系は店とかで買っちゃってるからわからないかなー。でも塩は海の近くで作ってたり売ってるが、塩岩石ってアイテムがあるらしいよ」


 塩の岩がアイテムとして存在するのか。ティアに見つけたら売ってくれるよう頼んでおこうかな。


「イベントまでにせめてもう少し色々作れるぐらいにレベルあげたいんだよな」

「クエストとかでもらった野菜が、倉庫の肥やしになってるからわけようか?」

「マジで? いいのか?」

「お金かスカート」

「金で払う」


 リーフは露骨に落ち込んでしまった。


「たまにはいいじゃーん!」

「ただでさえ最近リアルでも女装の危機だから嫌だよ」

「いまだってボーイッシュ……ともいいきれないけど可愛いの来てるし」

「スカートの壁は高いんだよ!」


 ちなみにこの前、ナツに久しぶりにあったら下半身はスカート型でありつつ動きを阻害しない形のものに変わっていた。もちろん、久しぶりはゲーム内でのことだけど。


「可愛いは正義だよ!」

「リアルで同じこと言ってみろ」

「む、むーりぃ」

「まあ、否定はしないけど。俺は可愛くなりたいわけじゃない!」

「じゃあ、まあお金でいいよ。新素材とか色々買ってたら結構消費しちゃったから」

「あの店売れてないのか?」

「売れてるけど、それ以上に消費を何も考えずにしてるから」


 すごい心配になる発言だな。


「さらっと売れてる発言されてびっくりだよ」

「一応、プリンセスブランドとか勝手に呼ばれちゃってるからね」

「…………ん?」

「……え?」


 なんか今さらっとすごい有名な名前が出なかったか。


「プリンセス?」

「言わなかったっけ?」

「聞いたことないぞ」

「呼ばれてるみたい」


 有名人と出会っていました。しかも、かなりのやつ。


「あ、もしかしてこのまえじろじろと見られたの」


 なんかこのアバターにしてからすごい人に絡まれた時があった。


「あぁ、たまにそういうことあるみたいね。ブログでやめてっていってるんだけど」

「まぁ、ネットだし仕方ないさ……しかし……はぁ」

「なんでため息!?」

「だって、女子に人気のブランドの服きてたら。可愛いって言われた時否定するのもなんか申し訳なくなるじゃん」


 俺が不届き者みたいになってしまう。


「あ、いや、そういうプレッシャーかけるつもりはないから」

「うん、わかってる。とりあえず野菜をくれ」

「アキちゃん結構ぶれないよね」


 なんかすごい画期的な料理法を見つけたとかを吹き飛ばすほどの出来事があったけど、何かを起こしてしまう前に知ることができてよかったと考えよう。


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