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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第3章 アップデートと初イベント
33/80

33 新武器と事前情報

 家に帰った後にOAOにログインする。

 こっちでは目前のアップデート情報が徐々に発表されていきその話題でもちきりだが、俺はティアの露店へときて、別のものに夢中だった。


「ふぉぉぅ!」

「どんな声出してるのよ。お代もちゃんと頂いたし取引成立ね」


 頼んでいた槍が完成したのだ。長槍でありながら刃は剣のかたちになっていて、薙ぎ払いなどもできるようになった。


【鉄槍花】

 ATK+2


「追加効果でてるけど値段そのままでいいのか?」

「それはいいわよ。ただ単に私のスキルレベル上がってテンション上げて予定なくつけちゃっただけだから。サービスってことで」

「テンションと出来心でやったもので値段追加はさせられないと」

「そういうことよ」


 少し恥ずかしいのかそっぽ向いて顔赤くしてる。


「これ名前って」

「私がつけたのよ悪い!?」

「悪くないよ。ただ、聞いただけだよ。じゃないと色々名前被る武器とかでてきそうだし」

「ドロップ品とかでもいい武器はそれなりにあるけど、名前被ってることあるわね。逆に一体のボスとかレアモンスターのみを倒し続けるパーティとかだと、ドロップ装備で揃えてるけど」

「そんな人達もいるんだな」

「それがこのゲームの売りだから、いいと思うわよ。それより、アップデートのはなしでもしましょうよ。どうせ、アップデートするまで本格的な攻略はおやすみするつもりでしょう?」

「まあそのとおりだよ」


 アップデートしてから楽しみながらやるほうがいいと俺は思ってるし。


「今って何が発表されてるの? 私、最近鍛冶多めにやってたから」

「えっと、なんだっけな。モンスターとかの修正は後で自分で見てもらうとして……そうだ。料理スキルに対する修正が入る」

「不遇って言われてたあれよね」

「それでも人気は高かったけどな」

「満腹度が実装されて死ぬとか?」

「そこまで極端じゃないけど満腹度が低いままだと自然回復力と状態異常自然治癒力が極端に落ちて0になってると、なくなるらしい」

「ダメージが入るわけじゃないけど、本来ちょっとずつなら回復してた部分がなくなるってこと?」

「そういうことらしい。後は名前とかは出されてないけどスキルの追加もされるとかそんくらいだったかな。フィールド追加とかは発表されてるけどどんなフィールドってのがでてない」

「自分たちで見てこいってことか、本当に直前にだすかってことよね……うぅん、私に関係有ることはあんまり起きないのかしら?」

「鍛冶とか生産職だとどうだったっけな……あ、ティアって店建てる予定はあるのか?」

「もちろんあるわよ。というかお金はもう溜まってるんだけど、ここ! って言える場所が見つからないのよね」

「なんか、地価の変動があるらしい」

「それは……チェックしないとね」

「本当にそんくらいしか発表されてないな。あとは公式開催の初イベントが行われるってくらいだ。アップデートの後で文化祭の一週間前に3連休あるだろ」

「あるわね」

「あそこの土曜日にあるってことらしい」

「それなら、それを楽しみにしようかしらねー」


 気づけば俺も店員と言わんばかりの立ち位置になっている気がする。

 今日もショッピングロードは大賑わいだ。


 とりとめのない会話をふたりでしていると、知ってる顔がやってくる。


「おふたりさん、こんばんわ」

「ミドリじゃない。どうかしたの?」

「暇だったので様子を見にきました。いかがお過ごしですか?」

「見ての通りよ」

「いつのまにか店員側にいる俺はなんだろうな。まあ、通路側にいるのもあれだけどさ」

「いいじゃないですか。なんなら、アキさんも生産職に。どうせSP余っているでしょうし」

「余ってるけど……なんか知り合いにできる人がいると頼っていいかなって思っちゃって。【調合】は単純にスキル相性と【生産の知恵】とったからには使わないとってことだし」

「あはは。ではまあ取り留めもない会話として――アキさん代表おめでとうございます」


 俺の頭が地面と激突しかけるほどにガクンと落ちた。


「うわっ!? どうしたのよ」

「忘れようしてたのに」

「忘れちゃダメですよ」

「まあ、アキは去年の優勝者だし、嫌でも呼ばれてたわよ」

「そんなの聞いてないし、嬉しくはない」


 忘れられないこともこの世界にはあるんだな。ゆっくりと俺の心はあきらめモードに切り替わっていく。


「まぁ、頑張るよ。明日も朝早いし俺はこの辺で」

「私もかなー」

「わたしもですね。ではー」


 それぞれログアウトしていく。

 いつもより少し早めにログアウトしたが、今日は風呂がまだだったのが理由だったりもする。

 自室からでて風呂場へ行こうとした時、廊下に夏海ちゃんがいる。


「あ、お兄ちゃん」

「風呂上がりか?」

「うん~。もう寝るけどね~。OAOはアプデ後にまたがっつりやるよ!」

「そうか……まあ、おやすみ」

「おやすみー」


 夏海ちゃんは相変わらずだった。


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