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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第2章 プリンセスと恥ずかしがりや
25/80

25 休日と冒険準備

 次の学校が休みの日。久しぶりにまる1日ログインできる日が現れた。

 俺は朝食を済ませた後にログインする。やはり最近の中では1番人が多く感じるのを見ると、プレイヤーが増えたのと休みが重なってることをひしひしと感じる。

 ログインしてすぐにファルコから念話がくる。やはりログインをしていたか。


『よっす!』

「おう、なんだよ」

『今日第2の拠点に行くための条件のボス倒しに行く予定なんだけど一緒にどうだ?』

「2人でか?」

『フェンスが一緒だ。カタタは自分が所属してるギルドのほうでクリア済みでな』

「一応、聞くけど物理パーティーでクリアできるタイプのボスなのか?」


 俺が知っているフェンスは盾と重鎧の前に出てヘイトを集めたり、時間を稼ぐタンクタイプのプレイヤーで、ファルコは両手剣の完全物理攻撃型だ。そしれ俺も魔法なしの槍使いである。


『オレが集めた事前情報が正しければちょっときついくらいだ。魔法がいてこしたことはないって感じのレベルらしい。もう武器スキルのレベルは20は越えてるよな?』

「越えてる越えてる」

『なら大丈夫なはずだ』

「でもまだくっそ安い武器だ」

『ゴリ押せ』

「お前、結構ゲーマー感あるけど、攻略法は雑だよな」

『クリアできればいいんだよ。じゃあ、参加ってことでいいよな?』

「俺もいけるようになっておくにこしたことはないし、時間かかることはこういう日にやりたいからな。参加するよ」

『サンキュ。来週はできないからな』

「なんかあるのか?」

『球技大会だろ。お前もちゃんと来いよな』


 すっかり忘れていた。うちの球技大会は何を考えているか土曜日にやるんだった。


「うん。行く……そんで、どこ向かえばいい?」

『今消耗品買い出ししたりしてるから、30分後に北門の転移ポータル前でよろしく』

「あいよ。なんか俺も買っておいたほうがいいものとかあるか?」

『余裕あるなら解毒薬か解毒草持っていったほうがいい。なんか、あんまり使わないらしいけど、毒攻撃があるらしい』

「わかった」


 そういうことになった。

 俺はひとまずショッピングロードに行ってみる。ログインはしてるみたいなんだけど、どうだろうかと思ったが、どうやら準備中のようだ。


「よっす」

「あ、おはようございます。今日も可愛いですね」

「いい加減それやめねえかな」

「ふふっ、いいじゃないですか。せっかくなんですから楽しむのが吉ですよ」


 ミドリはそんな風に茶化してくる。


「それで今日はどうしたんですか? こんな時間から珍しい……昨日の夜とかにオールして素材集めてきたとか?」

「いや、そんなんじゃない。ちょっとファルコのやつと冒険いくことになってな。第2拠点いけるようになるやつ」

「ほうほう、それでいりようというわけですが。知り合いサービスで開店前ですがお売りしますよ。何が必要ですか?」

「解毒薬か解毒草少しと普通に回復ポーション10本ほど」

「はーい、それじゃあまあ値段はいつも言ってる相場で」

「はいはい」


 トレード画面でお金を入れてアイテムをもらう。確認すると何か言った覚えのないアイテムまで入ってる。


「なんか多くないか?」

「新しいポーション【ファストポーション】作ったんですけど、効果がいまいちわからないので渡すので使ってみてもらえませんかね?」

「テストってことか?」

「はい。お代はその報告ってことで」

「わかった。ファルコともう1人いるんだけどいくつか渡していいか?」

「ぜひぜひ、色んな意見もらえると嬉しいので」


 アイテムを出してみてみると、普通のポーションが緑色に対してこのファストポーションは黄色だ。


「了解した。そんじゃ、行ってくる」

「頑張ってくださーい」


 ミドリに手を振ってその場を去る。そのまま少し早いが集合場所へと向かった。

 センターシティの北門近くには転移ポータルと呼ばれる大きな紫色の水晶が設置されている。これを使うと一度行って、登録したことのある場所へと転移できるようになるものだ。

 俺がいけるのは林の入り口とコルトコル洞窟入り口に、いくつかの村だけだ。でも、道中に素材集めすることが多いのであまり使ったことはない。

 やはり早かったようで、あと10分ほど時間がある。ただ、NPCショップや露店を見て回ったりするには心もとない時間だしおとなしく待つことにする。

 周りを見ると友達グループやカップルのようなものを見えた。このゲームは本当にいろんな年代に人気なんだな。

 やることなく人間観察をしていると、肩を叩かれた。ファルコがきたのかと叩かれた方の方をむこうとすると、指が頬に刺さる――引っかかちゃったよ。


「どうしたのー、こんなところで」

「リーフさん……」

「呼び捨て!」

「リーフ……いや、待ち合わせ」

「デート? 彼氏さんくるの!」


 ものすごい目を輝かせてこっちを見てくる。


「だから俺は男だって、これからダンジョンいくからその待ち合わせ。リア友1人とネットのフレンドがくるんだよ」

「へ~。どこいくの?」

「えっと……名前忘れたけど第2の拠点いくために倒すボスの」


 俺がそういった瞬間――。

「見つけた!!」

「うえっ!?」


 突然叫ばれて思わず変な声を出してしまった。


「もしもよかったらあたしも連れて行って!」

「え、でも、もうクリアしたんじゃ」

「あのボスのドロップ品が今欲しくて」

「あぁ……そういうこと。まあ、もうすぐメンツくるので聞いてみてからでいいなら」

「うん! それでいい!」


 リーフはそう言って俺の腕を掴んだ。もう顔をそらすしかなかった。最近の女子ってなんでスキンシップ簡単に取ってくるんだろう。

 時間になってファルコとフェンスが現れる。

 ファルコは背中に両手でなければ持てないであろう大剣と、重要箇所を守りつつも動きやすさを重視している金属鎧に装備が変わっている。

 フェンスはある意味では前と変わらず全身甲冑だが、盾を鞘として使える剣に変えたようだ。


「そちらの女性は誰であるか?」

「オレも知らねえな。どうしたんだ?」

「えっと、俺の知り合いのリーフ。なんかボスのドロップ品が今欲しいらしくて、同行したいらしいんだけど大丈夫か? 一応、ボスは倒してる人」

「それなら大歓迎だ! むしろ、よろしくお願いするぜ! フェンスもいいよな」

「わがはいもいいであるぞ! 男2人にか弱い女子一人では外見的にあれであるが、2対2ならば誤解も持たれないであるからな」

「俺は男だ!」

「はっはっは」


 笑ってごまかされたが、許可はもらえた。

 転移ポータルを使って、ダンジョンに一番近い村まで転移してから徒歩でダンジョンへと向かう。

 その道中。


「そういえば、リーフって戦闘はできる系の生産職なの?」

 興味本位で聞いてみる。後で嫌でもわかることにはなるんだけどな。

「みんなほどじゃないけど一応ね。短剣が使えるよ」

「へー」

「まあ後は土属性魔法を少し使えるかな。スタンさせないと手に入らないアバター制作用素材とかもあるからとったの」

「そういう魔法の使い方もあるのか」


 俺たちの話を聞いていたのか前にいたファルコも話に混ざってくる。


「それなら、リーフさんは後衛で援護って感じだな。攻撃動作とかでわかることあったら後ろから教えてくれ」

「呼び捨てでいいよ。まあ、あたしがわかることは伝えるね」

「よろしくな!」


 そして俺たちパーティはダンジョンの入口へと辿り着いた。


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