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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第1章 ゲームスタートと幼馴染
13/80

13 洞窟ともう少し

 少し歩いて辿り着いた先は、林の奥にある洞窟だった。

 入口付近の看板に近づくと読みやすいようにパネルが出てくる。


 【コルトコルの洞窟 適正Lv8 主な敵・ラットマン】


 このゲームにおいての適正Lvとはスキルの平均Lvのことになる。俺の場合は少しばかし足りないが、少なくともナツはこれより更に上になっていると予想できるので、大丈夫なんだろう。


「そういえば、2人は戦闘技能は何もってるんだ?」

「私は【槌】、つまりはハンマー。あんまり上がってないけどね」

「わたしは【魔法の知恵】と【風属性技術】で風魔法ですね」

「俺はまあ見ての通り【槍】だけど、ナツほど育ってはいない」

「お兄ちゃんが遅いんだよー」

「かわりにもう少しで【アイテム重量軽減】が10にいくけどな」


 SPが手に入ったら何をするかまだ悩んでるけど。

 そんな雑談をしながら洞窟内を進む。洞窟内は暗く、前に出ているナツが松明をもって照らしているおかげで視界が確保できている。

 ていうか光属性魔法に都合のいいものとかないのかな。それならとること考えるんだが。


「ていうかここに何があるんだ?」

「鉱石。最近鉄不足で」

「そういうことかい。生産職も大変だな」

「そろそろラットマンがでてくる地帯だから気をつけてね!」


 前を歩くナツは何かこう楽しそうにしている。


「楽しそうだな」

「だって、ティア姉とかと久しぶりにあったら、ゲームプレイができるんだもん。それにお兄ちゃんともやっと一緒に冒険できたし。本当は行きたいところがあったけど、もう少しレベル上がらないときついからね」

「頑張るよ……っと、ん?」


 そう話しながら歩いていると洞窟内を反響するように音が響く。改めてみみをすませてみれば、ネズミの鳴き声のようだ。


「ラットマンが近くにいて威嚇してきてる証拠よ」

「お兄ちゃんは一番広い通路お願い。槍振り回しにくいでしょ」

「お言葉に甘えさせてもらう」


 洞窟内の今いる場所は少し複雑になっており。広い道を歩いているが、そこかしこに細い横道がある。あの道の中では、俺はたしかに振り回せないだろう。

 かと言って突いたところで体勢も立て直しにくい。


「武器相性って大事なんだな……きた!」

「後ろにも2体、私とミドリでやるわ」

「了解です。アキさんたちも死なないようにがんばってください」


 松明は地面においても消えない。ナツは地面に松明を投げおいて、剣を抜いた。

 俺は片手に槍をずっともってる状態だったので、両手で構える形になる。


「前から1体に横道から2体。横道のはなつがやるから、お兄ちゃんは」

「わかった。時間稼ぎみたいになったらごめんな!」


 俺は一足先に踏み出す。そして前方の松明の光の範囲ギリギリに入ってきたラットマンに槍を突き入れようとする――が、思った以上に体が小さく外してしまう。


「くっそ、やっぱり攻撃意思強めの敵にはうまくいかないか」


 実は草原の草食獣みたいなのしか今まで相手にしてきてないから、敵から攻撃してくる、いってしまえば戦闘意欲の高いモンスター相手はコレが初めてだ。


「ていうか、単純に動きが早いし」


 ラットマンの見た目はネズミが2足歩行できるようになったものいうのが一番簡単に説明できる気がする。しかし、移動法はあくまで4足歩行のままだ。

 攻撃は前足のひっかきのみだが、ジャンプしてきたりなんだりと動きの速さでこちらを翻弄する。


「ぐぬぅっ!」


 どうにか応戦するが何発かくらってしまった。しかし、思いの外HPは減っていない。


「攻撃力は低いのか……速度重視ってことね。防御もぺらいと嬉しいよ!」


 俺は槍で突くのを諦めて、近づいてきたところを手に持ってる木の部分を棒のようにしてぶっ叩いた。

 頭に打撃攻撃が命中した時に低確率で起きるスタンがはいり、ラットマンは頭の上に星のエフェクトをだしながらその場でゆらゆらゆれる。


「ラッキーチャンス!!」


 防御は予想通り弱く、槍で数回つくだけでその場に倒れた。


「お兄ちゃんお疲れさま」

「もう終わったのかよ」

「片手剣ならかわしたところをすぐに攻撃できるからね」

「こっちは捨て身の攻撃でどうにかだったよ」

「短槍にしたら? スキルLv30くらいになると分岐するはずだから」

「考えておく……お、槍のLv9になった」

「後1でSPゲットだね」

「だな」


 ラッドマンの亡骸に近づいてドロップ品を回収すると、そのまま消える。


「レアアイテム……じゃないなこれは」

「それは、ただの高確率ドロップ品ね」

「うおっ!? ティア!!」

「こっちも終わったわよ」

「おつかれさまです」


 いつの間にか後ろの2人も合流していた。どんな戦いが行われていたんだろうか――でもティアのもっているハンマーをみると、当たれば一撃で死にそうな雰囲気がある。


「もう少しで採掘ポイントだから頑張るわよ!」

「おー!」

「その前に回復させてもらいますね。失敗した効果低めのポーションを使いますので」

「失敗とかもあるんだな……やっぱり【調合】とるか悩むな」


 洞窟の冒険はまだ続く。


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